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秋の夜長にライ・クーダーのギターを堪能あれ

このブログでは、Amazon で980円以内で買える輸入ディスクを紹介する「Amazon980円劇場」というコーナーを不定期にやっていたのだが、ご存知の通り昨年末からの円安により、このコーナー自体しばらく再開できないかなと思っていたのだが、調べ物をしていてライ・クーダーのアルバムが安いのに気付いて、できるうちに紹介しておこうと思った次第。

ワタシはかつてThe Bandの『Music from Big Pink』について書いたとき、ライ・クーダーの名前を引き合いに出している。

それそのものは新しさを感じないのに、どこか常にレイテストな音とつながる回路を持った音というのがある。ワタシの場合、それを最も感じるのはライ・クーダーザ・バンドだったりする。これを読んで笑われる人もいるだろうが、実際感じるのだから仕方がない。

The Band "Music from Big Pink" - YAMDAS現更新履歴

ライ・クーダーの場合、何より常に過去からの継承と温故知新の両方を徹底して意識していることがあるだろうし、そのアプローチを可能にするのが穏当なようで鋭角的な(スライド)ギターなのは間違いない。80年代以降の『パリ・テキサス』に代表される映画音楽、90年代以降のブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブなどワールドミュージックの方面の仕事が有名かもしれないが、やはりワタシはギタリストとしてのソロ作が好きだ。

Ry Cooder

Ry Cooder

1970年発表のソロ第一作。この時点で、オリジナル曲にも昔から歌い継がれたような感覚があり、古い曲を取り上げても独特のギターがちょっとだけテンションをあげるという手法は確立されている。

Into the Purple Valley

Into the Purple Valley

なんかホラー映画のサントラみたいなジャケットだが、1972年発表のソロ第二作。ヴァン・ダイク・パークスとレニー・ワロンカーがプロデュースだが、彼の初期作はこの二人に加えラス・タイトルマンなどワーナーブラザーズ人脈がプロデュースを手がけており、それが後のサントラ仕事につながっていったことはよく言われる。前作より音像がくっきりして聴いてて楽しめる。

Boomer's Story

Boomer's Story

これも1972年に発表されたソロ第三作。こうやって初期作を続けて聴いていると、確かに歌がだんだんうまくなっているのが分かる。アルバム全体がアメリカをさすらう男の物語をイメージしており、それはクーダー自身の音楽探求の旅にも重なるものである。

ソウルの名曲 "Dark End Of The Street" を泣けるギターでカバーしているが、本作にはその作者であるダン・ペンも参加している。

Chicken Skin Music

Chicken Skin Music

1976年発表のソロ第五作。本作はジャケットも楽しいが、ハワイアン音楽の要素が導入されたアルバムである(特に後半)。リラックスして聴けるアルバムで、最初に聴くアルバムはこれあたりがいいんじゃないですかね、という代表作。

Bop Til You Drop

Bop Til You Drop

エルヴィス・プレスリーの "Little Sister" の軽快なカバーで幕を開ける1979年発表の本作は、初めてデジタルレコーディングされたレコードの一つとして知られ、その音には好き嫌いが分かれるが、彼のソロ作の中で一番売れた部類ではないか。

チャカー・カーンをゲストに迎えるなど、ヴォーカリストとしての面に光を当てている印象がある(そしてリズム&ブルース色が強い)。とはいえ、リラックスした "I Think It's Going to Work Out Fine" のギターインストカバーも見事である。

Borderline

Borderline

ジャケットの趣味の悪さで損してるが、クーダーらしさは相変わらずのリラックスした、それでいてちょっと明るめな音の1980年発表のアルバムである。

全編ドラムをジム・ケルトナーが叩いており、本作で取り上げられている "The Way We Make a Broken Heart" の作者であるジョン・ハイアットも参加しており、後のハイアットの名盤『Bring The Family』、そしてそこにも参加しているニック・ロウ(彼によると、クーダーはイギリス人にひどく悪印象を持ってるらしい。おそらくはローリング・ストーンズのせいだろう)を加えた四人によるバンド Little Village につながる。

こうして彼のアルバムを聴き直すと、どれもアルバムが40分前後におさまっていて、おっさんには聴きやすくてありがたい。さて、ライ・クーダーのアルバムをこの機会に何枚かまとめて買おうかという方がもしいれば、80年代後半までのソロ作11枚をまとめたボックスセットがライノから来月出る予定で、予約すればアルバム1枚あたり300円程度で買えるので、そちらをお勧めする。

1970-1987 [Box Set]

1970-1987 [Box Set]

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