最近、New York の金持ちと文化について苦言を呈していた(参考:Living, Loving, Thinking)デヴィッド・バーンだが、やはり Guardian に文章を寄稿している。
今回は、若いアーティストのためにならないとして自らの音源を引き上げたトム・ヨークを擁護するもので、この記事にかなり長くバーンの文章を引用してくれているのでありがたい。元 Galaxie 500 のデーモン・クルコフスキーの話はここでも以前紹介したことがあるが、現状 Spotify がミュージシャンに分配するお金があまりにも小さいということだ。
トム・ヨークの意見表明についてはいろいろ批判もあったが、バーンの文章はなぜ報酬が少ないのか構造的なところにまで踏み込んでいる。
また、スポティファイの成り立ちについても、スポティファイは5億ドル(約495億円)規模の前金を大手レーベルに支払った上に各レーベルに株式も委譲していることを指摘し、コンテンツを制作したアーティストをまったく無視した利権構造を作り出していると指摘しつつ、同じような構造がテレビや映画などにも持ち込まれた場合、インターネットにすべてのクリエイティヴィティが何も残らなくなるまで吸い尽くされることになるだろうと警告を発している。
デヴィッド・バーン、トム・ヨークのスポティファイ批判を擁護 (2013/10/16) 洋楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
ここにきて、The internet will suck all creative content out of the world というタイトルにつながるわけだ。
Spotify はワタシがかつて訳した『デジタル音楽の行方』が提唱する「水のような音楽」に現状もっとも近いものを提供していると思うのだが、現状はまだまだなんだろうな。

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