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ゲノム編集技術でノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナのウォルター・アイザックソンによる伝記『コード・ブレーカー 生命科学革命と人類の未来』が来月出るぞ

邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2021年版)で紹介した、2020年のノーベル化学賞受賞者ジェニファー・ダウドナの伝記本だが、『コード・ブレーカー 生命科学革命と人類の未来』()が来月出るのを知った。

ジェニファー・ダウドナはゲノム編集技術 CRISPR の開発で知られるわけだが、新型コロナウイルスの診断への応用も言われた時期に彼女の伝記を世に出したウォルター・アイザックソンの引きの強さに感嘆したものである。即座に邦訳が出ればよかったのだろうが、そんな都合よくはいかず、なんとか今年中に邦訳が出た形になる。

「「IT革命」を超える「生命科学革命」の全貌」という本書の宣伝文句も凄いが、これを読んで科学者を目指す女性もいるのではないか。

そうした意味で、ジェニファー・ダウドナがノーベル化学賞受賞後にナショナル ジオグラフィックのインタビューでの発言は示唆に富むものがある。

――早速質問を始めさせてください。ご自身をフェミニストだとお考えですか?

「良い質問ですね。いうなれば、私は駆け出しのフェミニストです。理由を説明しましょう。キャリアの最初のうち、私は『女性科学者』として振る舞うことをできる限り避けていました。性別に関係なく1人の科学者として、仕事熱心な研究者として認められたいと願っていましたし、性別に基づくいかなる利益も不利益も受けたくはなかったからです」

ノーベル化学賞のダウドナ氏 自身の強みは執着心|NIKKEI STYLE

「少なくとも40代を通して、私はそう考えていました。しかしここ10年ほど自分をよく観察し、これが一種の偏見であることに気がつきました。意図的ではなかったにせよ、私は女性に偏見を持っていたのです」

「以来、私は柔軟な心で女性を理解することの大切さを学んでいます。女性が直面する課題や、国内外のメディアにおける女性の取り上げられ方、文化による女性像の違い、その一例である職業的役割の違いなど、多くのことを知りました。こうした課題については、今後も議論を続けていく必要があります。母親になりたい女性も、働きたい女性も、それを両立させたい女性も、すべての女性が安心して社会貢献できる仕組みを作ることが重要でしょう」

ノーベル化学賞のダウドナ氏 自身の強みは執着心|NIKKEI STYLE

そういえば、この本が実写ドラマ化される話はその後どうなったのだろう。

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