昨年、ワタシは戯れにこんなエントリを書いた。
昨年のうちはイーロン・マスクをダシにビジネス本がいろいろ書かれたのだが、昨年秋の時点で、『イーロン・マスクの熱狂』という本が今年の1月に刊行される情報をワタシはつかんでいた。
著者の池松由香氏は日経ビジネス編集部のニューヨーク支局長であり、「池松由香のニューヨーク発直行便」を連載されている。
「製造現場のカイゼン取材は媒体をまたいで20年近く続ける“ライフワーク”」という彼女にとってテスラは恰好の取材対象だったろうし、イーロン・マスクに対しても「マスク氏に会いたい!」 ツイッター本社前に張り込むほどの入れ込みようである。時の人であるイーロン・マスクについての本には勝算があったろう。
しかし、『イーロン・マスクの熱狂』は2023年になっても一向に刊行されない。推測だが、彼による買収後の Twitter の混乱に次ぐ混乱、そして彼自身の評価が「革命家」から「保守反動」へと一変したのもあり、本にどこまで書くか、どのようにまとめるか収まりがつかなくなったのではないだろうか。
まさか書名を今から『イーロン・マスクの発狂』に変えるわけにもいくまい。
そうするうちに、以前から噂になっていたウォルター・アイザックソンによる評伝『イーロン・マスク』の刊行が告知される。
なにせウォルター・アイザックソンによる評伝である。そこらへんの「イーロン・マスク本」はふっとばされてしまう。
これはますます『イーロン・マスクの熱狂』は不利なのではないかと Amazon ページを見てみると、なんと刊行は9月に伸びていた。