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日本の「紙フィルム」の研究プロジェクトを知る

kamifirumu.scholar.bucknell.edu

Pluralistic で知ったサイトだが、サイトに掲げられているように、紙フィルムの研究プロジェクトである……えーっと、そもそも「紙フィルム」ってなんですかね?

ウィキペディアにも項目がないようだ。このサイトの日本語版ページから引用させてもらおう。

1930年代には、日本の数社の製造会社がセルロイドの代わりに紙で作られた映画を製作しました。日本紙フィルム研究プロジェクトは、現存する紙フィルムを保存し、これらの映画に関する研究を促進しています。

1932年から1938年まで、日本では主に二社が紙フィルムの市場を独占していました。 よく知られているのは、東京のレフシーと大阪の家庭トーキーです。 彼らはアニメーションや実写映画を製作し、カラー映画も製作しました。 さらになかには、映画にシンクロナイズする音源が収録された、78回転のレコードがついている作品もありました。

生産期間の短さ、紙質の違い、第二次世界大戦の厄災を考えれば、紙フィルムがほとんど残っていないのは当然です。 90年近く経った今、現存するわずかな実物は劣化し始めています。 したがって、このプロジェクトは、フィルムが完全に消えてしまう前に保存するための時間との戦いなのです。

Japanese Home – The Japanese Paper Film Project

恥ずかしながら、まったく知らなかった。つまり、1930年代の日本において紙で作られた映画をなんとか保存し、研究しようというプロジェクトというわけだ。

このサイトの URL を見れば、バックネル大学のドメインにあることが分かるが、このプロジェクトのスタッフは、Eric Faden 教授、Elizabeth Armstrong 教授をはじめ、すべてバックネル大学の人たちのようだ。どういう経緯でこの方々は日本の紙フィルムに出会い、プロジェクトを立ち上げるにいたったのだろう。

研究パートナーとして、おもちゃ映画ミュージアム板橋区立教育科学館の名前もあるが、本来なら日本の博物館、美術館がやるべき仕事に思える。しかし、衰退国家にそうした余裕はもはやないのだろうか。

ともかく、日本のネットメディアがどこか、このプロジェクトを取材してくれないものだろうか。

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