ジェフ・ジャービス(ジェフ・ジャーヴィス)のブログの少し前のエントリを見ていたら、彼の新刊 The Gutenberg Parenthesis: The Age of Print and Its Lessons for the Age of the Internet が出ているのに気づく。
そうそう、これって堀正岳さんが昨年秋にツイートしていた本だな。出る頃に取り上げようとその時思ったが、すっかり忘れていた。公式サイトもできているぞ。
この新刊『グーテンベルクの括弧』は、書名にも出てくるグーテンベルクによる始まった印刷の時代が、実は歴史上の例外であることを踏まえながら、現在のデジタルインターネット時代の教訓を導き出す本で、テクノロジーと権力を巡る歴史を紐解きながら、コミュニケーションや著作権についての今日的な議論を行ってる本らしい。
ジェフ・ジャービスの本では、『グーグル的思考』(asin:4569708196)、『パブリック 開かれたネットの価値を最大化せよ』(asin:4140815132)、『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』(asin:4492762256)と邦訳が出ているが、今回の新刊はどうでしょうね。
しかし、およそ20年前のブログ時代に論客として参照していた人たちの多くは還暦を過ぎ、ジェフ・ジャービスも来年には70歳なのだから、これが最後の本かもしれないわけで……と辛気臭いことを思っていたら、彼が今年秋にズバリ Magazine という本を出す予定なのを知る。年2冊刊行とはすげぇな!
この新刊(表紙デザインがまさに雑誌を模している)についてジャービスは「雑誌への挽歌」と言い切っており、アメリカにおける雑誌の終焉について書いた本なのだろう。
そうそう、そもそも最初に挙げたエントリでジェフ・ジャービスは、Politico や New York Times に寄稿し、BuzzFeed で編集長も務めたベン・スミスが、この20年あまり続いたアテンションエコノミー時代のオンラインジャーナリズムの盛衰を描いた Traffic を紹介している。
この本の主な登場人物は、Gawker のニック・デントン、HuffPost のアリアナ・ハフィントン、BuzzFeed のジョナ・ペレッティといった人たちで、そのメディアが「バイラル」「バズり」を巡ってしのぎを削った時代を取材し、総括する本で、何しろベン・スミスは BuzzFeed の編集長として、その当事者だったわけで、これもかなり面白そうだ。邦訳出るんじゃないですかね。