今週、エルヴィス・コステロの来日公演が行われる。残念ながら、田舎暮らしのワタシは行けないのだが、先月より、彼についての日本語情報と言えばここというべき COSTELLOG において、来日カウントダウン企画として1日1枚ずつ行われる彼のアルバム紹介で彼のキャリアを辿らせてもらった。
- My Aim Is True (1977)
- This Year's Model (1978)
- Armed Forces (1979)
- Get Happy!! (1980)
- Trust (1981)
- Almost Blue (1981)
- Imperial Bedroom (1982)
- Punch The Clock (1983)
- Goodbye Cruel World (1984)
- King Of America (1986)
- Blood & Chocolate (1986)
- Spike (1989)
- Mighty Like A Rose (1991)
- The Juliet Letters (1993)
- Brutal Youth (1994)
- Kojak Variety (1995)
- All This Useless Beauty (1996)
- Painted From Memory (1998)
- For The Stars (2001)
- When I Was Cruel (2002)
- North (2003)
- The Delivery Man (2004)
- Il Sogno (2004)
- The River In Reverse (2006)
- Momofuku (2008)
- Secret, Profane & Sugarcane (1991)
- National Ransom (2010)
- Wise Up Ghost (2013)
- Look Now (2018)
- Hey Clockface (2020)
- The Boy Named If (2022)
実に30枚超! こういうリストを見ると、90年代以降は共演、共作アルバムが増えるとはいえ、コステロが本当に多作なのが分かる。健康問題があった時期をのぞき、アルバムリリースに3年以上空いたことがほとんどないというのは驚異的である。
ワタシ自身、コステロのことはずっと好きなのだけど、微妙に縁がなくて、CD を所有しているのは『My Aim Is True』とベスト盤だけだったりする。
彼のアルバムでベストとなると、一般的には『This Year's Model』が挙げられることが多いようだが、ワタシが一番好きなアルバムは……うーん、『Get Happy!!』かな。しかし、彼の場合、バックバンドのアトラクションズ(の主にブルース・トーマス)との労働争議、唐突にカントリーのカバーアルバムを作るなど振れ幅の大きさ、そして(特に80年代の)一部の旧作に対する厳しさなどあって、ずっと過渡期のイメージというか、どのアルバムもワタシの中で決定的と言えないところが正直ある。
しかし、現時点での最新作『The Boy Named If』が何の留保も言い訳もなく素晴らしくて、もはや大ベテランの域に達した彼の優れた新作を享受できる幸福をリリース時に感じたものだ。上記の紹介文を読み、自分がちゃんと聴いていないアルバムがいくつもあるのを再確認したし(しかし、彼ほどの人でもストリーミング配信されてないアルバムがあるのな)、あんまりピンとこなかったアルバムについても紹介文を読むことで再聴するよい機会を得られた。ありがたいことである。