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超低予算の学生映画『ダーク・スター』がいかにSF映画を変えたか

www.bbc.com

ジョン・カーペンター(製作、監督、脚本、音楽など)とダン・オバノン(脚本、出演、編集など)がタッグを組み、卒業制作として6万ドルという超低予算で撮り、1974年に公開された映画『ダーク・スター』が、『エイリアン』などその後の SF 映画にいかに影響を与えたかについて、公開50周年を機にふりかえる記事である。

当時の SF 映画は、『サイレント・ランニング』や『THX-138』など殺伐としたディストピアものが多かったが、『ダーク・スター』にはその暗く絶望的な世界をさらに一歩進めた不条理なニヒリズムがある。

カーペンターとオバノンは、人類の本質を求めたキューブリックの『2001年宇宙の旅』の向こうをはり、人生に意味などないというある意味『2001年宇宙の旅』のパロディーを目指したというコメントが紹介されている。

何より超低予算なので、あらゆることに創意工夫が必要で、それは画面をみていても分かる。強い個性の持ち主であるカーペンターとオバノンが協力し合ってできた映画だが、映画制作のプロセスはやはり険悪にもなったようで、『ダーク・スター』の後に二人がタッグを組むことはなかった。

公開された『ダーク・スター』は商業的には成功しなかったが、VHS の普及によりこの映画が発見され、カルト映画の地位に押し上げられることになる。

その後のジョン・カーペンター映画にも『ダーク・スター』の影響はもちろん見ることができるが、その後の SF 映画への最大の影響といえば、なんといってもオバノン自身が脚本を手がけたリドリー・スコットの『エイリアン』に違いない。

カーペンターはその後ホラー映画の巨匠となり、オバノンも『バタリアン』の監督、脚本、『トータル・リコール』の脚本などを手がけたが、2009年に亡くなっている。カーペンターも、ほぼそのあたりで新作を監督することはなくなった。

ネタ元は Slashdot

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