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ボブ・マーリー:ONE LOVE

先月の公開時に行きそびれ、もう無理だなと諦めていたのだが、近場のシネコンでレイトショーをやってたおかげで観れた。

本作の Rotten Tomatoes を見ると、批評家の評価がはっきり低いのに対し、観客の満足度はかなり高い。この構図は『ボヘミアン・ラプソディ』を思い出すところがあり、こういう場合はだいたい一般の観客の感性のほうが正しいものである。

というわけで、本作を観て思ったのは……映画はともかく、ボブ・マーリーの音楽は偉大だなということだったりする(笑)。

ボブ・マーリー役のキングズリー・ベン=アディルも、リタ役のラシャーナ・リンチもよく演じていたし、ラスタファリの象徴としてのボブ・マーリーの描写については、ワタシにそのあたりの基礎知識がないので理解できないところもあって申し訳ないと思ってしまったが、彼とその周りのトライブ性の描き方が面白かったな。

本作は冒頭にプロデューサーを務めるジギー・マーリーからのメッセージが流れるが、彼女の母親であるリタ・マーリーもプロデューサーに名前を連ねており、正妻と長男に配慮したストーリーになっている。しかし、正妻にとって不愉快なこともちゃんと描かれている……のだが、それを理解するには注意を要する。なんでロンドンの電話ボックスからリタに電話をかけるボブ・マーリーの後ろで恨めし気に立っている女性は誰なのか、まったく説明がないし、他の女性も映像だけで短くしか描かれないので、そのあたり分かる人しか分からないところがある。

本作は、ジャマイカで無料コンサートを開催しようとするも銃撃事件を受け、その後アルバム『Exodus』の制作から欧州ツアー、そして帰国して凱旋コンサートを開催するまでの一年半弱くらいの期間を描いたもので、それ以外にも彼の人生にはもっとドラマになるところはいくらでもあるはずだが、彼のオリジナルアルバムでもっとも好きなアルバムが『Exodus』で(ライブ盤も含めれば、『Live!』がやはり一番かな)、もっとも好きな曲が "Redemption Song" であるワタシ的には文句はない。

ただ『ボヘミアン・ラプソディ』ではないけど、最後のコンサートでの演奏場面が1曲くらいしっかりあれば、なおよかったのではないか。

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