アレクサンダー・ペインの新作を観るのは、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』以来、10年ぶりということになる。
本作は『サイドウェイ』以来のポール・ジアマッティが主演ということで、あの映画が好きなワタシとしては期待が高まった。
1970年のクリスマス休暇から新年までを描いているが、良い映画でしたね。偏屈で嫌われ者な寄宿学校の古代史教師を演じるジアマッティはもちろん良いし、「キャリア最高の演技」と言って差し支えない。
そして、問題児を演じるドミニク・セッサ(若い頃のリチャード・アシュクロフトを連想した)も、一人息子をベトナム戦争で亡くした母親役のダヴァイン・ジョイ・ランドルフも良い。
やはり、主人公の教師と家族の問題を抱える問題児、それぞれこれは嫌われるだろというところ、そしてこの二人の実に人間的なところをよく描けている。
アレクサンダー・ペインはさすがトラジコメディーの名手だ、と再確認できてよかった。ようやくこれで彼も不調や不遇から脱したか。