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渋谷陽一の架空インタビューと再結成しないバンドについて

先月、「これからたまに渋谷陽一の著書からの引用をお届けしたい」と書いたので、今月の渋谷陽一引用をやりたい。

先日、rockin' on 2022年3月号を読み直す機会があった。これは雑誌ロッキング・オンの創刊50周年記念号なのだが、1970年代の同誌に掲載されたジョン・レノンジミー・ペイジの「架空インタビュー」が再録されており、しまいには「渋谷陽一架空インタビュー」なる珍妙なものが掲載されている。以下、その中からの引用である。

渋谷――いや、前にフジロックヒロトに会った時、俺の架空インタビューやってくださいよ、って言われたぜ。
RO――架空のエピソードじゃないでしょうね。
渋谷――さすがにそれはマズいだろう。でもその時、「ブルーハーツ再結成します」とか書いちゃうぞ、と言ったら、「何でもいいですよ」と言ってた。つまり架空インタビューのラジカルさって、そういうところにあるんだと思う。ジョン・レノンや、ジミー・ペイジが架空インタビューを読んでどう思うかは分からないけれど、何となく笑ってくれるような気がする。
RO――メチャクチャ怒られるかも知れないですよ。

さて、「架空インタビュー」から話はガラリと変わるのだが、昨年末、フェアグラウンド・アトラクションの解散から35年を経ての再結成を知ったときはかなり驚いた。

フェアグラウンド・アトラクションは、1988年のデビューシングル "Perfect" がいきなり全英1位になり、ファーストアルバム『The First of a Million Kisses』も大ヒット、しかし、セカンドアルバム制作中にソングライターのマーク・ネヴィンが辞めてしまい、バンドはそのままあっけなく解散を迎える。

90年代には、エディ・リーダーのソロ作にネヴィンが曲を提供するようになり、そのうち再結成でもするのかなと思っていたが、実際にはそこからさらに30年くらいかかったことになる。

それぞれ、いろいろ思うところがあったのだろう。

しかし、それなりにメジャーだったバンドで、解散から35年経っての再結成なんてギネスものじゃないか? ちゃんと全員無事に揃ったのがすごい。

中心メンバーが他界や重病などで不可能な場合は仕方ないが、メンバー全員が健在で、しかも音楽から離れたわけではないが、再結成はないだろうなというバンドはいくつかある。

長らくワタシの中で、スミスとストーン・ローゼズがその代表格だったのだが、ローゼズはよもやの再結成が実現した。往時のローゼズに比べれば、今のオアシスは、まだハードルが低く思えるくらい。

スミスは……やはり、まぁ、ないわなという感じだったが、昨年アンディ・ルークが亡くなり、オリジナルラインナップでの再結成は不可能になった。

アメリカのバンドでは、『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』のために、全員揃ってのインタビューにようやく応じるところまできたが、(ロックの殿堂入りのときを数曲のパフォーマンスを除いて)やはり絶対に再結成しないトーキング・ヘッズがまず浮かぶ。

この「メンバーは全員健在かつ音楽を続けているが、再結成はない」と周りが自然にとらえるバンド、意外に(?)日本に多いように思うのだ。以下が代表格だろう。

再結成しないのにはバンドそれぞれの事情があろうし、だからどうというのはないのだけど、これも国民性のようなものが関係しているのだろうか。

最後に話を渋谷陽一に戻すと、くだんの架空インタビューの記事タイトルは、「創刊メンバーで集まると必ず出るのは、俺たちでもう一度ロッキング・オンを創ろうって話なんだ。」だったりする。そういえば、2016年にサンタナが、1971年のメンバーが再集結してアルバムを出したとき、渋谷陽一はラジオ番組で、「たとえて言うなら、二三人しか理解してくれないかもしれませんが、渋谷陽一松村雄策橘川幸夫岩谷宏がもう一度集まって洋楽雑誌を作るようなもの」と語っていたが、この創刊50周年記念号が出てまもなく松村雄策が亡くなり、やはりそれは不可能になった。

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