オライリーの本をもう一冊紹介。
ワタシも「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2021年版)」で取り上げた、発酵食品研究といえばこの人といえるサンダー・キャッツが、発酵カルチャーをテーマにした世界旅行をまとめた本が、『サンダー・キャッツの発酵の旅』として邦訳が今月出る。
実は「邦訳の刊行が期待される洋書」エントリを書いたときに、オライリー・ジャパンの田村さんから、邦訳を出したいという話を伺っていた。原書刊行から二年半のときを経てそれが実現したわけだが、「本文オールカラー」という気合の入った本を作るのは大変だったろう。
日本におけるメイカームーブメントの裾野を広げるのに、オライリー・ジャパンの翻訳書が大きな役割を担っているのは間違いないのだけど、特に「食」をテーマにした本を地道に出し続けているのは本当に偉い。
これは昨年、「Maker Faire Tokyo 2023に行ってきた」でも書いたことだが、この「食(料理)」は簡単に Maker Faire Tokyo で扱うことができないので、分かりやすく「回収」できないうらみがある。だから尚更、偉いと思うわけです。
サンダー・キャッツの『発酵の技法』、『メタファーとしての発酵』、そして他にも『Cooking for Geeks』、『家庭の低温調理』といったメイカームーブメントの「食(料理)」部門を担ってきた水原文さんが今回も翻訳を担当しており、その点でも安心感がある。