当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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「より良いCMSを作る」反応集

今回も「メンテナンス可能なコードの書き方」同様、いろんなところで訳文が取り上げられているのを見て嬉しかったので、主な反応を列挙させていただく。

Zopeジャンキー日記
ワタシが翻訳をやる目的を汲んでくださり、とても嬉しかった
ちはるの多次元尺度構成法(日記)はてな版
ワタシも以前は3コラムレイアウトが嫌いで仕方がなかった(最近は嫌悪感はほぼなくなったが)
Harukiからの平面波
こちらにも仲間が。あとドキュメンテーションは何だかんだいって常に OSS の課題である
てくのーと
お察し通り、blosxomOpenSourceCMS.com の blog 部門のリストに含まれていない。NucleusWordPress が入っていて、MT が入ってないのは謎(追記:謎でも何でもない。オープンソースCMS なのだから)
鵺的:想空間
というわけで、この文章は blog ツール全般にあてはまるわけです
pooneilの脳科学論文コメント日誌
ユーザ登録とログインの心理的障壁についての考察
優雅なブログが最高の復讐である
これはおまけ

「文藝春秋二月特別号」が熱い

既に各記事が取り上げられていたので本屋で立ち読みしたら、いろいろ読みどころのある記事が多そうだったので購入。(この雑誌本来の読者層でない)我々が注目しそうな記事をまとめて紹介。

ネット書店アマゾン潜入記
やはりこれが一番だろう。読んでいくつかの意味で恐怖を覚えた
電車男』を読む
鹿島茂福田和也松原隆一郎による鼎談書評。実は『稼ぐが勝ち』や『キッパリ』も取り上げられている
紀宮様「オタク伝説」を追う
これも話題になってましたね。彼女がその趣味を全開にしたサーヤブログを書く日は……まあ、来ないでしょうが
禁煙ファシズム」は怖いぞ
書いているのは小谷野敦。そういえば自宅での喫煙を理由に従業員を解雇した米企業がニュースになってましたね
幽体離脱」を二人で語ろう
なんじゃこりゃ。一人はよしもとばなな
今月買った本 児童性愛の闇を暴く
精神科医斎藤環の連載。仲俣暁生さんの『極西文学論』も取り上げられている

詳しくは書店で。

料理のレシピを登録するWikipes

Going My Way で、オリジナルレシピを Wiki で公開・共有化する Wikipes が紹介されている。

Richard Stallmanフリーソフトウェアについて語るときよくたとえに出すのが、料理のレシピを友達からもらい、それを改良するのは自由だろうという、プログラムとレシピのアナロジーなので(例:Richard Stallman インタビュー)、まさにレシピを改変可能な Wiki 上に置くというのを面白く思った。

旅行者情報集積サイト Wikitravel「旅行者の役に立つコピーレフトなコンテンツ」を謳っているし、言わずと知れた Wikipedia について、その創始者自由なソフトウェアと自由なファイル形式の重要性を力説している。それぞれのやり方で「自由な知識」には貢献できるのである。

さて、その真打 Wikipedia については、それが直面している問題について何度か取り上げてきたが、野尻ボードにおけるスイングバイ議論の火付け役となった狩野宏樹さんが、「Wikipedia について」という文章に経緯をまとめており、Wikipedia の問題点への考察には非常に鋭いものがあるので、興味のある方はご一読をお勧めします。

WikiのRSSフィードはどうあるべきか

続けて、これまで取り上げ忘れていた Wiki 絡みの話を二つ。

正直 Wiki による RSS の出力は、更新チェックができればよく、大枠で(てけとーに)blog などと連携が取れればそれでいいんじゃないかと考えていたのだが、実地的な問題点も見えてきた。

WalWiki の作者である塚本さんによる翻訳を含む考察を読み、自分の考えが全然甘いことを認識させてもらった。

WikiproxyがTechnorati主催の開発者コンテストで入賞

WikiproxyBBC News OnlineWikipedia へのリンクを追加するページフィルタであり、正確には Wiki そのものの技術の話とはいえないかもしれないが、それはともかく日本進出が伝えられ、最近のタグ流行に素早く対応している Technorati の Developer's Contest で入賞したとなればアルファ・ギーク層への認知も高まるだろう。

おっ、入賞者には、ワタシが訳した「ウェブサービス、RSS、そして Sun のブロッガー」の著者 Timothy Appnel もいますな。

しかし、今じゃ Sun も blogs.sun.com をやっているわけで、この業界は本当に展開が速い!

ブラッド・シンプル/ザ・スリラー

DVDジャケット

コーエン兄弟のファンを自称しながら、彼らのデビュー作である本作を観てなかった。で、ようやく観たわけだが、これは傑作である! とにかく面白い。彼らの後の作品につながるテーマ性や映像世界がばっちり詰まっていて、これはお勧めである。

正確には本作はデビュー作の再編集版なのだが、タイトになるよう編集されたことが伝わり、ポイントとなるシーンの衝撃度(まだこなれてないゆえの唐突さも含め)もオリジナルより強まっているのではないか。今回「ザ・スリラー」と付加されているが、正にその名に恥じないゾクゾク感を観る側に与える。

上に書いたように、本作を観ると後の『赤ちゃん泥棒』『ミラーズ・クロッシング』へのつながりがよく分かりニヤリとしてしまうが、最も作品として相関性が強いのはやはり『ファーゴ』だろう。

以前中原昌也が「SPA!」のコラムかで、コーエン兄弟についてその説教臭さが嫌になるといったことを書いていて(うろ覚え)、彼らの作品についてそのように思ったことのなかった、むしろ逆に思想性の欠落を感じていた当方は意外に思った覚えがある。唯一それがあてはまる映画となると『ファーゴ』だろうか。実際、この映画はファンの間でも賛否両論が多く、そのあたりも関係しているのかもしれない。

ワタシは『ファーゴ』を当代きっての名女優であるフランシス・マクドーマンドのための映画、もう少しちゃんと書けば、それこそ『ブラッド・シンプル』の頃から一貫して描かれる行き違いの末に殺し合いをしてしまう人間の悲喜劇をよそに、まっとうに夫を愛し、まっとうに仕事をし、自分の与えられた環境の中でまっとうに生きる聡明な女性を描く映画だと割り切っているので、『ファーゴ』は好きだ。うーん……こうやって書くと思い切り詰まんない映画みたいだが(笑)、なんだかんだいって、あの映画におけるウィリアム・H・メイシーの徹底的な情けなさが他人に思えないだけかもしれない(おい!)。

話を『ブラッド・シンプル』に戻すと、本作制作後結婚するジョエル・コーエンもまだ手探り状態でフランシス・マクドーマンドを使っていることが想像できる。つまり『ファーゴ』のように整理されておらず、それが彼女を他の登場人物同様疑惑の中に置く形になり、ストーリーの緊張感を高めている。コーエン兄弟の映画は中盤ちょっとだれることが多いのだけど、本作はそれもない。正に100%スリラー。久方ぶりに痺れる映画だった。

あと DVD の作りに文句をつけさせてもらうと、特典におけるストーリー解説の文字が小さすぎて読めんっちゅうねん! それに拳銃の弾についての解説に間違いあるし。

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