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ストレイト・アウタ・コンプトン

2016年最初の映画館での映画鑑賞はこれになった。

アメリカで大ヒットというのを聞いて、ワタシも彼らの過激インタビューを発掘したりしたが、西海岸ヒップホップ、ギャングスタラップを代表する伝説的グループ N.W.A. の伝記映画である。

ワタシ自身はギャングスタなんてまったく縁のない人生を歩んできた人間であり、そうしたライフスタイルにしろリリックの世界にしろ積極的に嫌いなのだが、ヒップホップとして好きなものもある。2pac とか。

いくらなんでも2時間半は長過ぎるのではと事前に危惧していたが、楽しく見ることができた。実際の暴力描写がそんなになかったのも、そういうのが苦手なワタシ的にはありがたかった。アイス・キューブ役をその息子が演じるという反則な手を使ってるのもあって、ライブ場面のかっこよさは見事だった。

固い結束で結ばれたはずの仲間達がお金の問題で徐々にバラバラになっていくというストーリーは、ロックの世界を舞台にした音楽映画で既に観ていた話だけど、やはりこういう成り上がりものの青春映画って魅力的よね。

特に後半、ソロで活躍するアイス・キューブドクター・ドレーに対して落ちぶれていくイージー・Eの姿は、前半のイキの良いキラキラした感じと比してとても哀しかったな。

スヌープや 2pac など西海岸ヒップホップの代表的存在は大体出てくるし、シュグ・ナイトのゴロツキぶりもちゃんと描かれており、当時の東西抗争などちゃんと押さえていたりして画面の情報量は実は多かったりする。

本作はアイス・キューブドクター・ドレーがプロデュースを務めているのもあって、特にドクター・ドレーがよく描かれすぎな疑いがあり(最後なんてドレーのヨイショ大会だし)、クレジットだけ見ればドレーなんかより遥かに N.W.A. の作品に貢献しているはずの MC レンが随分を割を食ってるのはどうかと思ったが。

あとアイス・キューブって(飽くまでギャングスタラップ界隈の中では)知性派というイメージがあったのだが、彼もやるときはやってたんだね(笑)。

あと内容とは関係ないが、いくつか見た予告編にあった絵で本編でなかったものが複数あったような気がするが、気のせいかな。

MITの経済学者マイケル・シュレーグの新刊が出ていたのか

この本の著者の Michael Schrage ってどこかで名前を見た記憶があるのだが、どこでだったか思い出せない……というので自分のパソコンのハードディスクを検索したところ、そうだ、ワタシはこの人の文章を訳したことがあった!

具体的には、今は亡き(?)雑誌 Make 日本版の Volume 12 における「キットとイノベーション」特集において、「キットと革命」という文章を訳したんだよね。この「キットとイノベーション」はいくつも文章を訳したし、特に愛着がある。

Make: Technology on Your Time Volume 12

Make: Technology on Your Time Volume 12

この Michael Schrage さんは MIT の経済学者で、著書の邦訳も一冊ある。

マインド・ネットワーク―独創力から協創力の時代へ

マインド・ネットワーク―独創力から協創力の時代へ

新刊(といっても刊行自体は一昨年の秋か)について山形浩生のおぼえは悪いようで、うーむ、そうなると邦訳は出ないのだろうね。

The Innovator's Hypothesis: How Cheap Experiments Are Worth More than Good Ideas (The MIT Press)

The Innovator's Hypothesis: How Cheap Experiments Are Worth More than Good Ideas (The MIT Press)

土木建築系総合カルチャーマガジン 『BLUE'Sマガジン』なんてものがあるのか

なんで Boing Boing で日本の雑誌が話題になってるのかと思ったら、確かにこれはインパクトある表紙である。

調べてみたら、感電社が発行している土木建築系総合カルチャーマガジン 『BLUE'Sマガジン』とのこと。

こんなのあるのか。Ignition で取り上げられたことで、英語圏でもその存在が拡散されているようだ。

最新号である #4 も、特集「親方」とかなんか興味をひくな。

リッキー・ジャーヴェイスの新作映画が今春Netflixでプレミア放送されるとな

『The Office』(本国版)『エキストラ Extras』などのテレビシリーズでおなじみ、先日もゴールデングローブ賞の司会をやってたリッキー・ジャーヴェイスの新作映画が、今春 Netflix でプレミア放送されるとな。

Netflix もテレビドラマだけでなく『グリーン・デスティニー』の続編を手がけるという話は既に一昨年前のニュースだが、テリー・ギリアムジム・ジャームッシュスパイク・リーなどの映画に Amazon Stdios が出資しており、テクノロジー企業の映像コンテンツ囲い込みも今年の大きな動きになるか。

問題のリッキー・ジャーヴェイスの新作映画だが、スティーブ・マーチャントではなくエリック・バナとの共同監督みたいね。Wikipedia に既にページができているが、フランス映画のリメイクとな。

彼のアメリカでの映画進出作『ウソから始まる恋と仕事の成功術』は、個人的にははっきり言ってハズレだったので、今度は楽しいヤツを期待したいね。

デヴィッド・ボウイ良い人伝説の真骨頂はこの逸話だろう

こういう「逸話」や「伝説」により、大げさに書けば故人の聖人視というか良い人化が進むのは好ましくないと思うし、原則論として表現者人間性と作品の良し悪しははっきり分けて考えるべきだ。ワタシなどむしろ最低な人間が作る作品が人の心を揺さぶるような話のほうが好きなのだが、デヴィッド・ボウイについては一つ改めて紹介しておきたい話がある。

これは今回の訃報を受けてこれみよがしに出てきた話ではないのでいいだろう。それはマーク・ボランの息子を救ったのはボウイだったという話である。

70年代のグラムロック期、最大のライバルだった T Rex のマーク・ボランが1977年に交通事故死した後、残された未亡人と息子はボランの印税をあてにできず途方に暮れていたところ、手を差し伸べたのが――

★そんな時期、「僕と母の前に突如現れた救済者が実はあのデヴィッド・ボウイだったんだ」

というローラン君の告白記事が英デーリー・メール紙に掲載されていた(上の写真)。

以後はグロリアさん母子の衣食住・生活費全部をボウイが支払い続けただけではなく、
ローラン君の学費(それもセレブの子息が通うような高い私学)までずっと父親がわりになって支払い続けたという。

ボウイの優しさに涙し感謝する母子が「血縁でもないのに何故こんなに親切にしてくれるんですか?」と訊いても、
「長年親しくしてきた親友の家族が困っている時、ヘルプするのは友人として当然のこと。
大したことじゃないよ」と軽く受け流し、
「今後も何か僕にできることがあるなら、遠慮せずいつでも連絡してくれ」、
と会話の最後にはいつも付け加えていたらしい。

マーク・ボランの息子を救ったのはボウイだった|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

すごいことだ。いくらスターでもなかなかできることじゃない。

これは後ろめたさを感じずに紹介できるが、ボウイは音楽面でもいろんな人を助けてきた。

モット・ザ・フープルが売れなくて解散しそうなときに、ヒット曲 "All the Young Dudes" を提供して助けたり、ソロになったルー・リードをプロデュースして代表作『Transformer』を生み出したり、ヤク中だったイギー・ポップを助けたりしている。エゴイスティックになりがちなその全盛期に、献身的といってもよいくらいの働きをし、彼らが代表作を作る手助けをしている。

80年代にもイギー・ポップを救っていたようだ。

後にポップが薬物依存症になり、破産の危機にも瀕した。そのためボウイは、1983年にアルバム『レッツ・ダンス』でセルフ・カバーした。ポップが印税の半分を得て、財政的に安定してもらうためである。

チャイナ・ガール - Wikipedia

20th Century Boy: Ultimate Collection (Dig)

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ALL THE YOUNG DUDES

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TRANSFORMER-UPGRADED VERS

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LUST FOR LIFE

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