というわけで、『羊たちの沈黙』を観直したわけだが、何度観てもぞくぞく来る。DVD だと場面が選べるのでレクター博士とジョディ・フォスターの接見場面を選ぶわけだが、結局最後まで観た挙句、メーキングまで見てしまう。
以前、友人にこの映画の何が面白いのかと聞かれて、既に相当アルコールが入っていたワタシは、ジョディ・フォスターの顔射シーンが観れるからだよと答えたのだが、どうも分かってもらえなかったようだ(当たり前じゃ!)。
もう少し丁寧に書くと、ジョディ・フォスターという希代のフリーク女優が、彼女が実はそれまでやらなかった役柄で、しかも彼女が一番輝くストーリーを選んだということである……やはり分からないか。
この作品の後、「サイコサスペンス」と称する映画が山ほど作られたわけだが、本作のようにクラシックとして堪えうる格調を映画全体として志向し、そしてそれに成功した作品はほぼ皆無である。当時は、アンソニー・ホプキンスがアカデミー主演男優賞を獲得したことに違和感を持ったものだが、今観ると不思議でもなんでもない。