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『2001年宇宙の旅』のHAL 9000の声についての逸話が面白い

映画史上に残る傑作として必ず名前が挙がるスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』は、今月で公開から50年経ったそうだ。

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この New York Times の記事は、『2001年宇宙の旅』に登場する人工知能 HAL 9000 の声にフォーカスした記事で面白かった。ちょうど Amazon Echo(Alexa)や Google Home や HomePod(Siri)などのスマートスピーカーの AI にホットな時期だからかな。

元々キューブリックは、HAL 9000 の声にアカデミー助演男優賞も受賞している名優マーティン・バルサムをキャスティングしていたのだが、彼の「人間的」でいかにもアメリカ人のしゃべり言葉が、コンピュータの声にふさわしくないと考え、カナダ人の舞台俳優ダグラス・レインに変更する。

キューブリックダグラス・レインの淡白で英米混合なアクセントを気に入ったのだが、実際には彼のアクセントは飽くまで標準的なカナダ人の英語ということらしい。いずれにしても、レインの声の「色のついてない感じ」が HAL 9000 の声にぴったりだったのは、ワタシにも何となくわかる。

ダグラス・レインの HAL 9000 の声は、その後映画やテレビ番組などで数限りなくパロディにされてきたが、意外だったのは、アンソニー・ホプキンスは『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクターを演じるにあたり、レインの HAL 9000 の声を参考にしたとのこと。

そして一番面白かったのは、ダグラス・レイン自身にとって、『2001年宇宙の旅』は数多く行ったナレーター仕事の一つに過ぎず、何の思い入れもなかったそうだ。というか、今年90歳になる彼は『2001年宇宙の旅』を一度も観たことがないという。マジかよ!

そうそう、スタンリー・キューブリックというと、先ごろ『フルメタル・ジャケット』でハートマン軍曹を演じた R・リー・アーメイが74歳で亡くなった。

ワタシもハートマン軍曹大好きなのだが、『フルメタル・ジャケット』の公開が1987年ということは、R・リー・アーメイがあの役を演じたときの年齢を、今のワタシはとっくに越えていることに思い当たって愕然となったことよ。

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