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鉤屋衛生博覧会

鉤猫がずらりと並んだジャケットからしてちゃんと作られた DVD になっている……という書き方は失礼か。売り物なのだから当たり前と言われるかもしれないが、そねさんが身体と心を砕いて作ったであろうことが想像できる。本当にお疲れ様です。

実は少し不安だった。当方は鉤屋のイベントには残念ながら参加しておらず、本 DVD に収録されたライブは観ていない。この DVD を観て、怒るなんてことはないにしても、感覚的についていけなかったら、あんまり楽しめなかったらどうしようと思わないでもなかった。結果から言えば、それは杞憂に過ぎなかったわけだが。

ほぼ第一声からピーが入る元気いいぞう先生、喋り出してまもなく北野ファンクラブ状態になる立川談笑師匠、モザイクがかかりっぱなしの女、坂本頼光のアニメに前置きされる「連帯責任」の文字……こうやって書いていくと何か非常に危険なもののようだが、確かに万人が楽しめるコンテンツかと言われると分からない。

元気いいぞう先生の一曲目「世の中狂ってる」。ワタシはなぜかこの曲の歌詞を何かの雑誌で読んでいて知っていたのだが、いきなり会場でこの曲の歌詞を聞いていたら、その破壊性に大笑いしながらもかなり動揺しただろう。個人的には元気いいぞうさんには全部この調子でぶっ飛ばしてほしかったのだが、さすがに創立記念イベントでそれは無理だったか。結果的に、全体的にぎりぎり広く受け入れられるエンターテイメント足りえていると思う。

さて、本 DVD のベストアクトは、ワタシ的には小林万里子&専属ギタリスト・鷲尾悠持郎。もう圧巻としか表現のしようのないパワフルな歌と横で哄笑し続けながらブルーズを刻み続けるギター。ワタシは恥ずかしながら、小林万里子さんのことを存じ上げなかったのだが、ジャケットにある紹介から引用させてもらうと、

1979年フォーライフレコードより「朝起きたら…」でデビュー。大ヒットを記録するも二枚目シングル「レイプフィーリング」は放送禁止。(後略)

……そりゃ、放送禁止になるがな(笑)。見たところ普通のおばさんといった風采の彼女がステージが登場し、ひとたび歌いだすや発生する強力な磁場と笑い。あー、会場で「一人悦び組!」に笑い死にしたかった。

という具合に日ごろ味わえない体験をさせてくれた芸人さんたち、そしてそれを紹介してくださった鉤屋をワタシは支持します。

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