- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2012/06/13
- メディア: DVD
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本作の話をはじめ聞いたときは、一度映画化されたものを何でデヴィッド・フィンチャーがまた作らなければならないのかと好意的になれず、観ないで済ますつもりだったが、同時代の巨匠の映画はできるだけ映画館で観ておくべきと翻意した。こう書いておいてなんだが、原作は未読だしスウェーデン版の映画も観ていない。
正直前作『ソーシャル・ネットワーク』が良すぎたのでそれと比べるとどうしても見劣りするが(これを2011年のベストに入れなかったのは我ながら理解できない)、十分楽しめる娯楽作だった。
上映時間は2時間半を超えるが、原作を分かっていることをある程度前提にしたテンポの速さで、前述の通り予備知識がないワタシにはちょっとツラかった。そうした意味で例えばミカエルとリスベットの関係の進展が唐突に感じられ、もう少し心の動きを示すカットがないと……と思っていたら、とんでもなくひどいモザイクにがっかりさせられた。あれはなんなんだ。
本作はリスベットの存在感が重要で、写真でしか見てないもののスウェーデン版の女優さんが雰囲気ぴったりだったのでルーニー・マーラはどうなんだろうと思ったが、線の細さも含めよかったね。
前作に続きトレント・レズナーの音楽も良くて、特にラストにかかるブライアン・フェリーの曲のカバーは、リスベットのもやもやとした心情をよく表現していて、これも前作のラストでかかる曲がそうだったように変に捻らない楽曲選択に好感を持った。
そうそう、音楽というと、ちょっと本作の感想からズレるが書いておきたいことがある。本作ではある曲が、予想もつかない場面で使われる。そのこと自体は「キラキラ」で町山智浩さんが喋っていて知った。しかし町山さんはそれが具体的にどういう場面かは言ってなかったはずで、ルール違反はない。
しかし、公開直後に Twitter で「○○の「×××」が流れる△△の場面」とかはっきりネタバレしている人がいて結構むかついた。その人も映画好きなら、それが他の人の興を削ぐ行為なのが分からないのかな。映画を観た人だけが分かる書き方もできるだろうに。
突っ込んだ言及もブログならよい。タイトルでその映画についての文章だと分かるから、そこで読むのを止めればよいから(事実ワタシの場合、観に行くと決めている映画については、自分が感想を書くまでは他の人の評はなるだけ読まないようにしている)。しかし、Twitter などのソーシャルストリーム上での公開されたばかりの映画への具体的な言及には節度があってしかるべきではないか。
このネタバレ問題についてはワタシ自身以前 Twitter で注意されたことがあり、ワタシ自身も他人から見て絶対やらかしてないと言い切れず常に気をつけるべきことだが、最近ちょっと度が過ぎる言及が目につくのであえて書かせてもらった。