- 出版社/メーカー: パンド
- 発売日: 2001/02/23
- メディア: DVD
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最低映画館(閉館の知らせに涙にくれたものだが、新館ができつつあるので一安心)で岸田裁月さんが書いているのを見て以来いつか観てみたいと思っていた映画だが、先日レンタル屋でビデオを見つけて驚喜した。
タイトルバックからボカシが入るのに脱力しちゃったから書くわけではないが(でも一箇所、「ボカシありでよかった!」と珍しく思うシーンがある)、映画総体としてはたいしたものじゃない。月曜から日曜までいろいろなシチュエーションで自殺していく人たちを描くというアイデアが良くて何とか乗り切れているが、各々の描写は稚拙だし、腐乱死体を観て楽しむ趣味はないもので。
あとこれは「ホラー映画」ではない。一箇所画質の不具合で映像と音声がおかしくなる場面があり、それが『呪怨』的に怖かったりはしたが。
でも、土曜日にあたる大量殺人者のところは抜群に良く、以下、殺人者となる女が娘に読ませて聞かせる文章を全文引用させてもらう。権利的にまずかろうが、せっかく朝の4時にビデオを止めてメモしたので、見逃してくだされ(既に2ちゃんねるにも転載されてるみたいだし)。
大量殺人者は標的をランダムに選ぶ場合がある 殺人行為によって無名性や性的不能を埋め合わせるのだ 20世紀 人間は我慢しないことを覚えた 不幸や災難を じっと堪え忍んだりはしない 誰もが正当な扱いと正義を求めている それゆえ人生に厭んだ者も静かな退場はしない 死に方によって人生に意味を与えようとする その欲求不満は復讐の形で現れる 大量殺人者は自分を無視した者を狙って復讐する 初めて自分が歴史を創るのだ 死んだ生から 生きている死へ 少なくとも数日間は世間の注目を集めるのだから このバカげた希望は 非存在の全人生よりはるかに濃密だ 無動機殺人者はポストモダニズムの殉教者である
ちなみにこの映画の字幕翻訳は、柳下毅一郎氏。ドイツ語もできたのか。