Linux ボックスをルータとして利用する場合のみならず、インターネットに直接つなぐ端末なら必ずお世話になるといってよいのが iptables である。iptables に関するドキュメントはワタシもいくつか訳しているが、何と言ってもその決定版が iptables tutorial である。
簡単に書けば、あなたが Linux ネットワーク技術者で、まだ iptables tutorial を読んだことがなければ、あなたは Linux ネットワーク技術者ではない(もちろん読まなくて十分に iptables を理解しているなら話は別)。
この文章が素晴らしいのは分量や内容の網羅性にとどまらない。ユーザインタフェースの iptables に留まらず、カーネルの Netfilter までしっかり踏まえた理解の深さがあるからである。さらに言うなら、Tatsuya Nonogaki 氏による日本語訳も原文の内容を十分に理解したとても良質なものだ。
久しぶりに原文を読みにいったらバージョン 1.20 が公開されていて、最初のほうを読んであれ? っと思った。日本語訳(バージョン1.1.19が対象)と比べてその意味が分かった。まず日本語訳の献辞から引用。
まず何より、このドキュメントを僕の素晴らしいガールフレンド Ninel に捧げる。彼女は、僕が今まで彼女にしてあげられたのより遙かに厚く、僕の助けになってくれた。あなたが僕を幸せにしてくれたのと同じくらい、僕があなたを幸せにしてあげられることを願っている。
この部分が、新しいバージョンではこう変わっている。
I would like to dedicate this document to my wonderful sister for inspiring me and for giving me feedback. She is a source of joy and a ray of light when I have need of it. Thank you!
えーっと、Oskar Andreasson さん、Ninel さんとはお別れになったんです……か?