Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: CD
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帰ってきたAmazon980円劇場。
プリンスのアルバムでベストは何かと言われたら、多分『Sign 'O' the Times』(asin:B000002LBM)と答えるだろう。しかし、ワタシがプリンスのアルバムで一番衝撃を受けたのは間違いなく本作である。
リアルタイムではなく高校生のとき(1990年前後)に CD で買ったアルバムで、それ以前に既に彼のアルバムは何枚も聴いていたが、それでも本作は冒頭から組曲のように畳み掛ける太鼓の音の異様さに度肝を抜かれた。何とヘンな音なんだ。そして、こんなイっちゃった音がポップミュージックとして流通していることに深く感動したのを覚えている。
本作は正確には、大失敗に終わった彼主演の映画のサントラにあたるのだが、それはまったく気にすることなく聴ける(なによりだ)。そして本作はプリンス&レボリューション名義であるが、かつては彼のブレイクに貢献したロックバンド的音作りからあまりに外れた音の構築、そして一方でフリージャズ的ですらある流動性の志向を聴けば、本作がレボリューションのラストアルバムになったのもよく分かる。
本作からは、全米シングル一位に輝いた "Kiss" のヒットを生んだが、アルバムとしてはセールス下降の度を強めた。本作の異様な音を聴くとそれも仕方なしとも思うが、ワタシがプリンスの真価を思い知ったアルバムでもある。今の若いリスナーは、(ある意味80年代的な)本作の音処理を聞いてどのように感じるのだろうか。