- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2004/08/27
- メディア: DVD
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以前 NHK BS2 でウディ・アレンが自作について語る一時間半の番組があり、それがきっかけとなってこれまで観たことのない彼の作品をレンタルしてみた。本作は彼の初監督作である。
そのインタビュー番組でも引用されていたが、ウディ・アレンを語る際によく引き合いに出される彼の映画の台詞がある。
君の初期のコメディーは面白かった。
21世紀に入ってからのアレンの映画は観ていないので論評はできないが(正直良い評価はほとんど聞かないが)、それまでの彼のフィルモグラフィーについてこれだけは言える。元から彼のユーモア感覚が性に合わないとか、彼の映画のどこが面白いか分からないという人を除き、上に挙げる台詞をしたり顔で言う人間は、単に映画鑑賞能力が欠如しているだけではないか? 「彼の映画ってワンパターンだよね?」などと言う輩もしかり。
これについてはまたいずれ書くとして、その彼の「初期のコメディー」である本作は、確かにコメディーの佳作である。ギャグがどれも直線的であるがそれはあまり欠点になっていないし、偽ドキュメンタリー的な手法を取り入れているのも徹底していないとはいえ成功している(特に主人公の両親のインタビュー)。
しかし、本作は飽くまでコメディーの佳作であって、これをさして名作! とか、彼の最高作! とか言うのは何をどう観てもおかしい。これは飽くまでウディ・アレンという優れた、そして何よりしぶとい映像作家のキャリアのスタート地点に過ぎない。