ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2004/11/05
- メディア: DVD
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2005年最後に観た映画がゾンビ映画だというのはどうなんだという気もするが、結局2005年は一度しか映画館行かなかったなぁ。
本作を観て何より痛感したのは、本作のオリジナルであるロメロの『ゾンビ』がいかに素晴らしい映画であるかということ、特にショッピングモールに立て篭もるというアイデアの秀逸さである。
……と書くと、返す刀で本作をけなすかと思うかもしれないが、ショッピングモールに立て篭もるという設定を継承した本作もなかなかのものだと思う。現代文明批評がどうたらと説教垂れるでなしに、スピーディーに基本設定を映像で示した後に、黙示録に歌詞の材をとったジョニー・キャッシュの "The Man Comes Around" が終末観を煽るオープニングに代表されるようにてきぱきと進むところがよかった。妊婦のくだりなど適度に悪趣味さも見せている。
オリジナルとの設定に一番の違いは、ゾンビ(リビング・デッド)が走ることなわけで、これが本作のスピード感に貢献してはいるのだろうが、やはり痛し痒しだよな。オープニングに登場するリビング・デッドなんて生きているときより運動能力が上がっているような描写だけど、結構この辺ご都合主義だし。オリジナルの設定はやはり低予算ゆえというところもあったと思うけど、あののろさ加減が可能にしたものも大きいと痛感した。
脚本については、ちょっと誰が誰でしたっけになるから二人くらい登場人物減らしてもよかっただろとか、あんな勝手でしかも皆の得にならない行動に突っ走った女を助けるために意外にあっさり全員一致でゴー! はねぇだろとか、車を強化するくらいなら少々の接触でも大丈夫なくらい厚手長袖の服ぐらい着ろよとか(何のためにモールにいたんだよ)突っ込みだすときりはないのだが、エンドロールに入ってからのシビアさがとてもよかったのでユルス。
というわけでワタシ的には満足な2005年最後の映画鑑賞だった。2006年最初は、ようやく借りることができた、上のエントリでコメディ映画50選の堂々三位に入っている『ショーン・オブ・ザ・デッド』から映画鑑賞はじめである……ってやっぱりゾンビかよ!