F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』のパブリックドメイン入りについては2020年秋、というか正確には「なぜギャツビーはパブリックドメインでないのか?」を訳した2013年の時点から話題にしてきたことだが、無事2021年の幕開けとともにパブリックドメイン入りした。
で、それからまだひと月も経たないうちに、その二次創作とでもいうべき作品が発売されているというのだ。このエントリでも触れられているが、こういう事例で真っ先に思い出すのは、ジェーン・オースティン『高慢と偏見』を下敷きにして書かれたセス・グレアム=スミス『高慢と偏見とゾンビ』(asin:4576100076)とその映画版(asin:B0781VSQSW)だが、『グレート・ギャツビー』の場合、どういう二次創作が書かれたのか。
グレート・ギャツビー・アンデッド
ネタバレしてしまうと、ギャツビーが吸血鬼という設定の二次創作ですな。やはりホラーにされるんだな。
- 作者:Briggs, Kristen,Fitzgerald, F. Scott
- 発売日: 2021/01/02
- メディア: ペーパーバック
The Great Gatsby Undead (English Edition)
- 作者:Briggs, Kristen,Fitzgerald, F. Scott
- 発売日: 2021/01/03
- メディア: Kindle版
ペーパーバック版はアダルト指定を受けているのに注意。
AIが書いた派生作品『よりグレートなギャツビー』
『グレート・ギャツビー』をソースにして AI に生成させた小説という触れ込みが『The Greater Gatsby』だが、ホントかね?
同性愛版ギャツビー
二次創作となると、やはりこれが書かれるわけですな。『The Gay Gatsby』ってそのまんまやね。
The Gay Gatsby (English Edition)
- 作者:Baker, B. A.,Fitzgerald, F. Scott
- 発売日: 2021/01/01
- メディア: Kindle版
なんというか予想の範疇というか、『高慢と偏見とゾンビ』のような映画化もされるパワーのある二次創作はまだなさげである。
ネタ元は Pluralistic。
そうそう、二次創作ではないが、昨年秋にジョン・グリシャムの(そして村上春樹訳の)『「グレート・ギャツビー」を追え』という本が出てますね。
- 作者:ジョン・グリシャム
- 発売日: 2020/10/07
- メディア: 単行本