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「ホラー映画ベストテン」を選んでみた

「男の魂に火をつけろ!」でやってる「映画ベストテン」シリーズはこれまで読者として楽しく読ませてもらっていたが、今回はワタシも参加したいと思う。

やはりそれはお題が「ホラー映画」だったのが大きい。人一倍怖がりでビビリなくせにホラー映画好きなんですね。ただワタシはスプラッター系は苦手で、それについては以下のリストを見ていただければ分かると思う。

意気込んでリストを作ろうとするも、どうも何か重要な作品が抜けてるような残尿感に悩まされた。兄が(ホラー)映画好きだった影響で、小学生低学年の時点でいろいろ見ているはずなのに、それが微妙に思い出せない気がするのだ。

結局残尿感は残ったままだが、とりあえずワタシが選ぶホラー映画ベストテンは以下の通り。一般にはホラー映画に分類されない作品がいくつか入っているが、あえて選ばせてもらった。

  1. ウィリアム・フリードキンエクソシスト』(1973年)
  2. 野村芳太郎震える舌』(1980年)
  3. ドン・コスカレリ『ファンタズム』(1979年)
  4. ジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』(1978年)
  5. ジョン・カーペンター遊星からの物体X』(1982年)
  6. サム・ライミ死霊のはらわたII』(1987年)
  7. デヴィッド・クローネンバーグザ・フライ』(1986年)
  8. ロバート・ハーモン『ヒッチャー』(1986年)
  9. 清水崇呪怨』『呪怨2』(ビデオ版)(1999-2000年)
  10. ロバート・アルドリッチ『何がジェーンに起ったか?』(1962年)

それでは各作品について簡単に触れておく。

ウィリアム・フリードキンエクソシスト』(1973年)

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ホラーというジャンルしばりでなくてもワタシにとってオールタイムベストの一本で、とにかく大好きな映画である。ホラー映画の枠をこえたクラシックとしての風格を備え、恐怖の中にさまざまな美が垣間見えるのが素晴らしい。

しかし、この映画において登場時点で今にも死にそうなメリン神父役のマックス・フォン・シドーが当時まだ40代ばだったというのは驚く。役者さんってすごい。

野村芳太郎震える舌』(1980年)

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これをホラー映画に入れると怒られるのかもしれないが、ワタシが小学校中学年のとき一度だけテレビ放映されたこの映画は、その一回だけでワタシらの世代の多くにぬぐいがたい恐怖を植えつけた稀代のトラウマ映画である。

あのときの印象がとにかくすごかったので、正直もう二度と観たくない。

ジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』(1978年)

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個人的に一番好きなゾンビ映画となると『ショーン・オブ・ザ・デッド』なのだが、ホラー映画として選ぶならやはりロメロご本尊の本作になるでしょうか。

この映画は物心つく前後に日本公開されたが、エレベーターが開くと一斉にゾンビがなだれこんでくる場面が使われたテレビ CM に心底ビビったのも覚えている。しかし、実際に映画を観るとその場面は当時感じたほどには怖くなく、やはり子供の素直な心で観たホラー映画は記憶の中で美化(?)されるということだろう。

今回リストが見事なまでに古い映画ばかりになったのはそれが大きいと思う。

ドン・コスカレリ『ファンタズム』(1979年)

これなど子供の頃に観ていて本当によかったと思う映画の一つで、思春期の少年の不安を具現化したイマジネーション豊かな異色のホラー映画である。

各々の場面を説明しようとすると辻褄が合わないし、論理的でない伏線を含め、子供の頃は当たり前に楽しめたのですね。

そして何より(以後いろいろ真似されることになる)エンディングが素晴らしい。

ジョン・カーペンター遊星からの物体X』(1982年)

これも子供の頃にテレビで観て特殊効果にびっくりさせられた映画である。

ただそれだけではなくて、単純にヒーローが事態を解決するわけでなく、エンディングが実にクールというか勧善懲悪でないこんな終わり方があるのか、とワタシにとって教育効果のある映画だった。

サム・ライミ死霊のはらわたII』(1987年)

ワタシはホラー映画は好きだけどスプラッターものははっきり嫌いで、それに属する映画で今回リスト入りしているのは本作だけだが、中学生のときに初めて観て、過激な描写とその卓越したユーモア感覚の両立にノックアウトされた。

本作がサム・ライミの映画初体験、並びに国宝級の俳優であるブルース・キャンベルを知った映画である。

デヴィッド・クローネンバーグザ・フライ』(1986年)

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やはり気持ち悪さを極めたという意味で本作は入りますね。オリジナルの『蝿男の恐怖』もかなり気持ち悪かったが、本作はクローネンバーグらしい粘着性があってたまらない。

あと本筋とは関係ないが、主人公の衣装棚に同じ服がずらりと並んでいて、これを日替わりで毎日着ればいい、という場面は未だ真剣に憧れる。

ロバート・ハーモン『ヒッチャー』(1986年)

同じ種類の映画として、スピルバーグの『激突!』とどちらにしようか悩んだが、やはりルトガー・ハウアーがむちゃんこ怖くて、だからこそかっこいい本作を選んだ。小説家の藤野可織さん(id:myopie)もこの映画が好きで、それで盛り上がったのは良い思い出である。

ルトガー・ハウアーというと、代表作はなんといっても『ブレードランナー』のレプリカント役だろうが、あれとはまた違った意味で強くて怖い。

清水崇呪怨』『呪怨2』(ビデオ版)(1999-2000年)

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ごらんの通り、1970〜1980年代の作品ばかりになってしまった。本当ならここは『エルム街の悪夢』を選びたかったのだが、一本くらい90年代以降のやつも選ぼうと考え、洋画では『SAW』や『シックス・センス』や『CUBE』、邦画では『女優霊』や『リング』などいろいろ候補はあったが、これにさせてもらった。

ビデオ作品、しかも二本選んでいるのはこの企画の趣旨的にはアウトかもしれないが、内容的に二本で一つなのだから仕方がない(なんでパッケージを別にしてるのか理解に苦しむ)。

劇場版ではなくビデオ版なのは、単にそちらのほうが質が高いからだが、とにかく佐伯伽椰子が強力で、強力すぎてもはや笑ってしまうところまできているので選ばせてもらった。

ロバート・アルドリッチ『何がジェーンに起ったか?』(1962年)

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これまたホラー映画に入れたら怒られそうだが、楳図かずお先生が『おろち』などで書く姉妹ものの原型だと思います。

ベティ・デイヴィスがとにかく怖いのだが、それが一線を越えてしまうエンディングは背筋が凍る。サスペンスというよりサイコホラーの傑作と言いたい。

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