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Debianのglibcからeglibcへの移行、もしくはウルリッヒ・ドレッパーの人気に嫉妬

海外のニュースサイトで Debianglibc から eglibc に乗り換える話を聞いたときは、C ライブラリという基盤部分の入れ替えに驚いたが、10年前くらいの gcc と EGCS の関係のようなものなのかなと思い深追いしなかった。

先日 @IT「Debianがglibcの派生版「eglibc」を採用へ」を読み、Ulrich Drepper という glibc のメンテナに大きな原因があることを知った。

ちょうど新山祐介さんがこの悪名高いメンテナについてまとめていて、「Ulrich Drepper と比べたら、Linus とか Theo なんて天使みたいに見える」というコメントに爆笑してしまった。Theo de Raadt が天使に見えるくらいて!

@ITの記事は以下のように終わる。

また、glibcのコア開発メンバーのコミュニケーション作法には問題があったのだという意見は強く、eglibcは技術的な派生物であるばかりでなく、プロジェクト運営という面からも、glibc開発コミュニティに対するアンチテーゼという側面も含んでいるといえそうだ。eglibcのミッション定義には、開発者の間で協力やコミュニケーション、礼儀正しさ、敬意といったものを促すようにと書かれている。これは、当てこすりとまでは言わないまでも、glibc開発コミュニティに対するメッセージでもあるかもしれない。

Debianがglibcの派生版「eglibc」を採用へ − @IT

これを読んで思い出したのは八田真行さんの「フレームウォーの功罪」で、八田さんはこの文章の中で Code of Conduct(行動規範)を明文化し、メンバの行動に一定の基準を設けている Ubuntu を(それを行なってない Debian と対比して)評価している。

こういうことを書くと叱られそうだが、ワタシはかつて八田さんが Unix User に連載されていた「でびあん通信」を欠かさず読んでいたのは、Debian がよく言えば活発、悪く言えば揉め事の多いコミュニティで、件の連載で大きなフレームの概要が追えたからだ。

今回の一件は、開発コミュニティとしての Debian にどのような影響を与えるのだろう。

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