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津田大介の代表作『音楽業界IT戦争』刊行から一年経って

音楽業界IT戦争

音楽業界IT戦争

気が付けば、津田大介の『音楽業界IT戦争』が昨年の3月31日に刊行されてから一年が経っていた。

思えばこの本は2008年中から断続的に刊行が告知されており、2008年の10月にはワタシも「執筆が進んでいるか不安になる」と書いているし、実際その直後に福岡で津田さんにお会いしたときに進捗を尋ねたところ、「うん、16ページは書いた!」と元気に言われて頭を抱えたくなったものである。

余談であるが、このとき初めての九州上陸で、美味い海の幸が食えるとwktk状態の津田さんをフツーの居酒屋に連れて行き、何の変哲もない焼き鳥を食わせるというおもてなしの心のなさを露呈して津田さんを大いにガッカリさせてしまったのは申し訳なかった。

それはともかく、「紙の原稿は基本的に落としませんよ!」と豪語する津田大介を甘く見てはいけなかった。『音楽業界IT戦争』は予定通り、2009年の3月31日に刊行された。非実在単著とは言わせない。

ゼロ年代、インターネットは文化産業、メディアに大きな影響をもたらした。中でも音楽産業にとって、インターネットは紛れもなく破壊的な存在だった。津田さんの書名にある通り、ある意味音楽業界は IT との戦争状態にあったと言える。

『音楽業界IT戦争』が素晴らしいのは、その破壊の有様を音楽業界、IT 業界の両方からの視点で冷徹正確に描くだけでなく、飽くまでインターネットを肯定的にとらえながら絵空事でない確かな希望を書いているところだ。

ワタシがはじめて津田さんとお仕事をしたのは、津田さんが翻訳した『デジタル音楽の行方』に解説を書いたときだが、『音楽業界IT戦争』は音楽ITジャーナリストとしての津田さんの面目躍如というだけでなく、『デジタル音楽の行方』の先を見せてくれたという意味で、ワタシにとって感慨深い仕事である。

それにしても不思議なのが、この本について語っている人がひどく少ないことである。これは残念なことだ。2009年の津田大介の仕事としては、秋に刊行された『Twitter社会論 新たなリアルタイム・ウェブの潮流』がベストセラーとなり、「金髪の王者」としての認知が広がったためだろうか。ワタシとしては『音楽業界IT戦争』も紛れもなく津田大介の代表作であると強調しておきたい。

同じ1973年組として、ワタシはハッピージャーナリスト津田大介の存在を誇りに思う。

みんな! もっと『音楽業界IT戦争』のことを語ろうぜ!

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