2016年末でブログをやめてしまったため、当たり前だが今年は映画館で観た映画をブログで紹介することができなかった。今年は映画館で20本近くという、ワタシ的にはかなり良いペースで観ることができた。折角なので、駆け足で感想を書いておきたい。
沈黙 -サイレンス-
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遠藤周作『沈黙』のマーティン・スコセッシによる映画化はワタシ自身長年待ち続けてきたものだった。よくできていたが、やはり期待値が高くなりすぎたところはあったように思う。あんな格好をしたリーアム・ニーソンを見ると、「おい、フォースを使えよ」と言いたくなったり。
冗談はともかく、本作の撮影を誘致できなかった長崎市は情けない。
意外にもといってはなんだが、窪塚洋介のキチジローが良かった。イッセー尾形の演技を誉める人が多かったが、まったく同意しない。それよりも塚本晋也である。『野火』、『シン・ゴジラ』、そして本作と、彼は後に2010年代最高の日本人俳優と語られるようになるのではないか。
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もう文句なしの美しい映像、歌。しかも狂気と闇をもしっかり感じさせる作りも見事である。ワタシは好きだ。素晴らしいじゃないか。しかし、ラストまで観て、映画として決定的にダメだと思った。
ワタシがダメだと思ったのは、ジャズの扱いやミュージカルとしてどうというのは全く関係ない。カップルのいずれもちゃんと大人として成功しているのに、あんな平行世界を見せられても、ないものねだりのぶりっ子にしか思えないし、苦みのあるエンディングにしとけば大人っぽさと深みが演出できるだろうという浅はかさが透けて見えるのだ。
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前作を汚すような続編だけは絶対に作るまいという決意をダニー・ボイルからもユアン・マクレガーからも感じていたので期待して観に行った。
ある意味安心した。主人公たちは相変わらずそれぞれまぎれもないクズのままだったからだ。今ではクズの中年である。あー、トレインスポッティングってホントひっでぇ話だったんだなと再確認できた。そうした意味で、最初から最後までワタシは楽しめた。
しかし、前作の映像が挿入されるたびに、嗚呼、『トレインスポッティング』はなんと鮮烈な青春映画だったんだ……とため息が出たのも正直なところである。