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オバマ政権時代の大統領経済諮問委員会委員長も務めたアメリカを代表する経済学者の遺作『ロック経済学』

大原ケイさんからアラン・クルーガーの Rockonomics という本を教えていただいた。

ROCKONOMICS

ROCKONOMICS

正直に書くと、最初「へ?」という感じだった。

アラン・クルーガーというと、プリンストン大学教授にしてバラク・オバマ政権時には大統領経済諮問委員会の委員長を務めており、クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞など数々の賞を受賞しているアメリカを代表する経済学者である。

そして、その彼は今年2019年3月に自殺によりこの世を去っている。

で、この Rockonomics なる本は、2019年6月、著者の死後に刊行されている。つまり、「ロック経済学」を意味するタイトルを持つこの新刊は、高名な経済学者の遺作なのである。なんでこんな面白そうな本を書いておきながら、自らこの世を去ってしまうのか……。

思えば、彼の死去時にはバラク・オバマ追悼文を書いているが、「ロックンロールの経済学を理解することでがどのようにして彼の最も深い関心事の一つ,すなわち変貌する世界において中間層を再構築するということの解決をもたらしうるかについてロックの殿堂で行ったノリに乗ったスピーチ」という、最初読んだときなんじゃそりゃ? となった個所の合点がいった(そのスピーチは見てないが)。

副題を読めば分かるように、この本は「音楽産業が経済や生活について我々に教えてくれること」を扱ったものであり、ミュージシャンやレコード会社の重役や興行関係者など音楽業界の人間に取材して書かれたもので、元々は著者がブルース・スプリングスティーンのファンで、彼のバンド(E Street Band)のドラマーであるマックス・ワインバーグと食事したことが執筆の契機になっているという。

かくしてクインシー・ジョーンズリチャード・セイラーが推薦の言葉を寄せるという稀有な本ができたわけだが、音楽産業の中心がロックではなくヒップホップでなくなって大分経つのに、タイトルに「ロック」を当然のように入れてしまうところに年代を感じてしまうのだが、70年代ロックをもっとも得意とするワタシ的には文句ない。

調べてみると、アラン・クルーガーの本は『テロの経済学』(asin:4492313915)しか邦訳が出ていないのだけど、この本は翻訳されてほしいところである。

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