高名な経済学者であるアラン・クルーガーが自殺したのも、その遺作が『ロック経済学』だったのもかなり驚いたものだが、今年の6月に邦訳が出る。
発売日が6月9日なのは「ロックの日」を狙ったものだろうか(そんなわけはない)。関係ないが、この日、渋谷陽一の70歳の誕生日だな。
訳者の望月衛さんは、最近ではナシーム・ニコラス・タレブの本を多く手がけているが、個人的にはスティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学~悪ガキ教授が世の裏側を探検する』の印象が強い。今回も活気のある翻訳を期待したい。
しかし、この本はストリーミング以後の音楽経済を考える上で、榎本幹朗『音楽が未来を連れてくる 時代を創った音楽ビジネス百年の革新者たち』と比べることも可能かもしれないが、書き手の年代的な意味で、アラン・クルーガーのほうがオヤジ向けでしょうな(笑)。
邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2020年版)で取り上げた本でまた一冊邦訳が出るわけだ。