先週、話題になった記事だが、これのタイトルを見ただけで、デヴィッド・グレーバーの新刊の邦訳が出たのかとワタシは早合点した。
ワタシがデヴィッド・グレーバーの新刊を取り上げたのが昨年5月で、「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2019年版)」を書いたときに、岩波書店から2019年末に邦訳が刊行予定という情報をいただいていたので、現代ビジネスの記事はそのプロモーションの一環だろうと思ったわけである。
しかし……記事をひととおり読んでも、『Bullshit Jobs』の邦訳については具体的な記述はない。結局今年中には出ないのか。
その代わりというわけではないだろうが、『Bullshit Jobs』の要約版と言えるインタビューや文章が掲載された書籍が出ている。
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書)
- 作者:ポール・クルーグマン,トーマス・フリードマン,デヴィッド・グレーバー,トーマス・セドラチェク,タイラー・コーエン,ルトガー・ブレグマン,ビクター・マイヤー・ショーンベルガ―
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2019/09/14
- メディア: 新書
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書)
- 作者:ポール・クルーグマン,トーマス・フリードマン,デヴィッド・グレーバー,トーマス・セドラチェク,タイラー・コーエン,ルトガー・ブレグマン,ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2019/09/14
- メディア: Kindle版
一方で、グレーバーの最近の書評仕事を読むと、経済学自体に矛先が向かっている。
こちらの日本語訳では「対経済」と訳しているが、これははっきり「反経済学」でしょう。経済学(者)よ、マジ役に立たねぇ! と言ってるわけ。
このあたりがグレーバーの次作の方向性になるのかもしれない。