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カポーティ

我らがシーマンこと、フィリップ・シーモア・ホフマンアカデミー賞主演男優賞を受賞した映画となれば映画館でみないわけにいかない。本作の主人公である作家トルーマン・カポーティは、ワタシも好きな作家だし(ただし、短編。『冷血』は未読)。カポーティの代表的な映像となると映画『名探偵登場』の怪演になるのかな? 評判通り、シーマンは見事にカポーティを演じていた。

もっと人間的な明暗のはっきりした映画かと思っていたが、カポーティの嫌らしい面をきっちり描きつつもそればかりをどぎつく強調することのない、抑制のきいたつくりになっている。

あと本作では『冷血』のための取材旅行に同行したハーパー・リーの『アラバマ物語』の名前が何度か挙がる。この小説、並びに映画については偶然少し前に触れているが、これらについて知識がないとニュアンスが伝わらないかもしれない(関係ないが、キャサリン・キーナーは『マルコヴィッチの穴』の頃と大分変わったな!)。

全体的にちょっとぼんやりした感じもするし傑作とは言えないが、よくできた映画だとは思った。カポーティと死刑囚らが最後に正対する場面のドキュメンタリータッチな揺れるカメラワークが効果的だったとワタシは思ったが、あるいはあざといと見る人もいるかもしれない。

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