思えば福岡でブラーを観たのが1997年、オアシスが2000年、それからおよそ四半世紀の時が流れ、2024年になってトム・ヨークを福岡で観れるとは思わなかった。
ゼロ年代前半あたりまでは、洋楽アクトの来日公演に福岡が入るのが割と普通だったが、この国が経済的に落ちぶれるにいたり、そうでなくなって久しい。
レディオヘッドのライブに行ったことがないワタシにとって逃せない機会である。今回はレディオヘッドでもザ・スマイルでもなくソロ名義だが、それでもバックバンドを連れて来るのかなと思っていたら、完全にトム・ヨーク単独のステージだった。
今ではラップトップさえあればそういうライブも可能だが、彼の場合、単独でもかなり躍動感があって、本当に観れてよかった。MC もほぼなしのタイトな構成だったが、はじめあたり「コンバンハ」の声にエコーがかかっていたのが笑えた。
ローリングストーンのライブ評が参考になるが、事前に予想していたよりもレディオヘッドの楽曲(主に『Kid A』期以降)が多い印象があった。レディオヘッド6割、ソロ3割、そして残り1割がザ・スマイルなど。
ライブに足を運ぶの自体、キング・クリムゾン以来3年ぶりだったが、オールスタンディングのライブがワタシ的にはかなり久しぶりだった。どれくらい久しぶりかというと……2002年のレッド・ホット・チリ・ペッパーズ以来って20年以上ぶりかよ!
足腰が持つだろうかという不安を抱えてのライブとなったわけだが、ステージ上でうねうね踊るトム・ヨークを観ているうちにこっちも気がつくと踊りながら観ていた。前の座席を掴みながら(ジジ臭くてゴメン)。
そうした意味で、ダンサブルな曲がより楽しめた。本編ラストの "Idioteque" とか。あと "Atoms for Peace" もホントに素晴らしかったな。
もちろんレディオヘッドはワタシにとってとても大事な存在だし、近年のザ・スマイルまでずっと追いかけてきたわけだけど、彼のソロ作はあんまりちゃんと聴いておらず、今回のソロ来日公演に行くとなって初めてちゃんとそのあたりまで聴く機会が作れてよかった。
さて、通常であればここでワタシが客席から撮影した写真なりを載せたいのだが、前述の通りライブ勘がすっかり鈍ってたのもあり、後から自分が撮った写真を見なおしても、まともに撮れてるものがほぼなかったりするのが情けない……。