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フェリスはある朝突然に

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ワタシは映画などはフィクションと割り切って楽しめるほうで、例えばアニメ版『時をかける少女』や『耳をすませば』を観て死にたくなるとかいうのはない。

タイトルだけ見ると意味ありげだが、実はある高校生がただ学校をサボった一日を描くだけの本作も楽しく観たのだけど、これって例えば今の日本の高校生が観たらどんな感想を持つのかなぁ、とちょっと考えたりした。もちろんそんなの全然分かんないのだけど、本作がアメリカで今なお根強い人気がある理由は知りたい気もする。

とても楽天的な青春映画で、主人公を演じるのはマシュー・ブロデリックがぴったり。やってることは犯罪に属することも含まれるのに、この人がやるとひたすら運が良く、厚かましく要求を通し、おいしいところを持っていく主人公が憎めない。トム・ソーヤー的魅力、というのとはまた違うのかもしれないが。

主人公が親や校長ら大人を騙すのにやたらと仕掛けを凝るところは、後に本作の監督ジョン・ヒューズが脚本を書く『ホーム・アローン』にも通じるところがあるね。

本作は主人公らがシカゴの街中に繰り出してからが面白いのだけど、シカゴ美術館の場面に映る画に記憶があり、あれはどこで見たものかと思い出したら、トルーマン・カポーティの『叶えられた祈り』(asin:4102095071)の表紙にも使われてる画だった。

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