- 出版社/メーカー: デスペラード
- 発売日: 2009/03/06
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『嫌われ松子の一生』もなかなかぐっとくる映画だったが、本作はまたそれとは違った意味で涙腺を刺激する映画で、客が少なくてよかった、とホッとしながら何度もたらたら涙を流した。
色彩豊かな人工的な絵作りと速いテンポは中島哲也監督の持ち味で、本作ではそれが全編を貫いており、CG の使い方などなるほど確かに映画版ならではだろう。前作のラストはかなり冗長だったが(トイレを我慢していて気を失いそうだったからなおさらそう感じるのだろうが…)、本作は速いテンポを保ったまま走りきる感じで、逆にいえばそんなに「ため」が必要な映画ではないのだろう。
本作は豪華キャストと聞いていたが、テンポの速さもあってあとでクレジットをみて、あれはこの人が演じてたのか! というのが何人かいた。彼ら/彼女たちのキャラのドギつさとオーバーアクトは辟易スレスレだったが、本作の妻夫木聡は怪演と言ってもよいと思うし、変態医師を演じる上川隆也もよかった。
主人公が劇中言うように、彼のそれまでのろくでなしぶりを思えば都合の良い話である。それに「記憶が(中略)しかもたない」といった設定は最近使われすぎじゃないかとも思う。でも、パコが毎日読み続ける絵本のストーリーが主人公の心境と重なると、そういうのはもうどうでもよくなる。それに最後にちゃんと落とし前がつくのも悲しいが納得がいった。
それにしてもパコ役のアヤカ・ウィルソンは、信じられないくらい可愛かったが、彼女には本作における妻夫木のような未来を辿ってほしくない。