Hacker News でものすごい数のコメントを集めている記事があり、何かと思ったら Good Math, Bad Math の Very off topic: Why I won't be at my high school reunion というエントリだった。
Good Math, Bad Math は Radium Software で何度か名前を見た覚えがある科学系ブログという程度の認識だが、このブログの作者 Mark Chu-Carroll は現在 Google に勤務するソフトウェア技術者である。
その彼が今回はオフトピで、それが読みたくない人は読まないこと。また通常よりもコメントには厳しく対処することを宣言して話をはじめる。
Mark Chu-Carroll は1984年に高校を卒業し、今年はその25周年ということで同窓会が開かれる。たくさんの同級生が Facebook や電子メールで接触してきて、同窓会への参加を促す。しかし、彼はその求めに応じるつもりはないという。それは何故か?
彼が語るのは、やせっぽちで活動過多なオタク(geek)だった自分の過去、そしてその自分が学校でいかにひどい目にあったかである。
高校のクラスで、私には真の友は一人もいなかった。年長の友人はわずかながらいた。年少の友人も二三人いた。でも文字通り、同級生で私に歩み寄り友達のように扱ってくれる人は一人もいなかった。一人だって。
その彼が高校で受けたひどい仕打ち、許しがたい暴力……しかし、それから25年経ってネットを介して接触をはかる同級生たち。その中には自分にひどい暴力を日常的にふるってた奴がいる。
いったいお前ら何だっていうんだ? どうしてお前ら、私がお前らの相手をしたいなんて思うわけ? どうしたら我々が古くからの友達みたいな厚かましい態度が取れるんだ? よくもそんなことができるよな。お前らの一人が送ってきた「ご返事ください」リストをみていると、私はお前らの名前を思い出して文字通り吐き気を催す。
ワタシ自身は geek ではなかったし、彼のようなひどい目にあったことはない。それでも読んでいて痛みを覚え、泣きそうになった。
ポール・グレアムの「オタクが人気者になれない理由」とも共通するテーマだが、案の定この文章は多くの人たちの琴線に触れたようで大変な反響を呼び、コメント欄はあふれ、コメント用に新たにエントリがたてられている。
以上が私がお前らに望むことだ。私に近寄るな。私はお前らの人生の話なんて聞きたくないのだ。お前らが高校を卒業してからどんなに変わったかなんて知りたくない。お前らの仕事、配偶者、子供の話なんて聞きたくないんだ。私は今では良い生活を送っていて、お前らの誰かに連絡をとって自分の世界を汚染する理由なんて思いつかないんだよ。
救いなのは Mark Chu-Carroll の現在である。その優れた仕事、家族。しかし、失われたときを取り戻すことは極めて難しいし、絶対に許せないことだってあるのだ。