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ウィッカーマン

もちろんニコラス・ケイジ主演のリメイクでなく1973年のオリジナルである。

以前から時折名前を聞くものの、なんか得体のしれない映画らしくてずっと気になっていたのだが、ようやく観れた。これは紛れもない傑作映画ですね。ものすごくよかった! 以下、ネタバレしないよう注意して書く。

少女が行方不明になったという匿名の手紙を受け、サマーアイル島に巡査部長が飛行艇でやってくるところから映画は始まる。その島の島民はスコットランドの原始宗教を信仰しており、その儀式がすべて豊作祈願と生殖に結びついている。

まぁ、原っぱで裸で踊る少女たちを見たら動揺しても不思議ではないが、それにしてもこの巡査部長役が示す怒りと嫌悪感は、日本人のワタシからすると尋常でない。しかし、この主人公が厳格なクリスチャンというのはちゃんと意味があるんですね。

少女は本当に行方不明になったのか、彼女は死んでるのか生きているのか、誰が匿名の手紙を書いたのか、果たして五月祭でクリストファー・リー演じる領主は何をするつもりなのか、そして映画の題名になってる「ウィッカーマン」は何の役割を果たすのか、サスペンスの緊張が最後まで途切れない。

スコットランドの島が舞台ということでフォーク音楽がすごくぴったりだったし、映像の見せ方も本作の謎めいた雰囲気に貢献していた。

しかしなぁ、メイキングでの映画会社の都合により切りに切られたバージョンが公開されたことへの監督の嘆きを見てしまうと、このレンタル DVD もそっちでなく100分版を収録してくれよと思ったぞ。

ウィッカーマンと夕陽からなる悲壮美と言いたくなるエンディングは、映画史上に残る美しさではないか。

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