今最も楽しみにしているウェブ連載が澁川祐子さんの「食の源流探訪」である。
この連載が素晴らしいのは、「食にまつわるちょっといい話」に安易に流れることなく、むしろそうした「ちょっといい話」により作り上げられるおさまりのいい定説を疑うのが多いところ。文章を書くにあたり食べる料理はすべて自腹という矜持もあっぱれである。
その「食の源流探訪」の最新回が「中華料理でも和食でもない孤高の「ちゃんぽん」」で、長崎出身のワタシはとても嬉しかった。といいつつ、特にちゃんぽんのルーツは知らないので、初めて知る話ばかりでとても楽しかった。ちゃんぽんと沖縄ソバとの接点というのは考えたこともない話で、個人的にはいささか懐疑的だが。
実は帰省時に必ず飲むバーの隣に有名なちゃんぽん店があり、一度行ってみたいのだがまだ行けてないんだよなぁ。
あとちゃんぽんについての文章では、坂口安吾の「安吾の新日本地理 長崎チャンポン――九州の巻――」も面白い(が、内容については長崎人からすると異論がある)。