ラジオを聞いていて、確率的に女性パーソナリティに多い印象があるのだが、「へー、○○って××なんだ?」みたいなタメ口を耳にしてなんだかなと思うことがある。
ワタシはピース又吉の『火花』は読んでないのでそれについては書けないのだが(「すべてのニュースは賞味期限切れである」の担当編集登場回は面白かった)、こんな距離なしな人だと心閉ざすよなと思ったし、こういう女って絶対後で『作家ぶっててさあ』とか悪口言いそうだよな。
作家にインタビューするインタビュアーはどうあるべきか。ワタシが思い出すのは、筒井康隆が1993年に書いていた「インタヴューアー十ヶ条」である。
- 前もって相手に関する下調べをする。特に、現在どんな位置についているか。つまり最新の仕事や、功績や、どんな賞をとっているかなど。
- 相手の言ったことばを文脈で理解すること。
- 簡潔にリライトする際、自分によくわからないからというだけの理由で、その部分をカットしないこと。
- 質問に、自分の意見をさしはさまないこと。
- 相手の話がわかりにくくなった時は、自分の質問のしかたに影響されているためではないかと疑い、気遣うこと。
- 原稿起こしの段階でわからない部分は相手に訊ねる。
- 無礼な質問をした場合は、報復として真実でない答えが返ってくることを覚悟しなければならない。
- 相手がいかに偉い人物であっても、ギャグに対して笑いを堪える必要はない。
- 相手の地位や教養が自分より下だと思っても、絶対に表情、言動に示してはならない。インタヴューイの地位は教養、学歴に関係なく、常にインタヴューアーより上。
- 極めて常識的に、衣服の悪臭、頭髪の悪臭や不潔、口臭、顔面の発汗、「ふんふんふん」という鼻先きでの軽い返事などは避けねばならない。
さて、くだんの女性記者は、上の十ヶ条をいくつ破ったのだろうか。しかし、「質問に、自分の意見をさしはさまないこと」って、ロキノン系インタビュアーは皆殺しだよな(笑)。
上の引用は筒井康隆の文章の全文ではないので、詳しくは以下の本をあたってくだされ。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/30
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