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シン・仮面ライダー

竹野内豊三部作の完結編、そりゃ観に行きますよ!

仮面ライダー生誕50周年企画作品を謳っているが、今年50歳になるワタシは仮面ライダーと同い年(?)ということになる。そういうワタシも子供の頃、好きで仮面ライダーをテレビで見ていたが、果たしてそれがシリーズのどれか今思い出せないくらいで、また子供もいないので平成仮面ライダーもノータッチ、原作にも特に思い入れもないワタシなど客としては不適格なのかもしれないが知ったことかね。

しかしなぁ、『シン・ウルトラマン』に続いて斎藤工長澤まさみが当たり前のように出ているのだから、クモオーグはクモのガワが取れたら山本耕史だったらよかったのに。

いや、面白かったですよ。

しょっぱなから血の気の多い暴力シーンももちろん大いにアリだし、一方で化学コンビナートというか工場でのバトルアクションなど、子供の頃に見ていたテレビシリーズを思い出してこれだよねと思ったよ。エンディングの夕焼けも美しい。

もちろん欠点は少なからずある。あの蟻んこのドンパチみたいな暗闇でのバトルが何がなんだか分からんとか、そもそも仮面ライダーって、正業に就いてない半ニートのにいちゃんが主人公の、バイト先の店長やら身近なガキどもとの日常がコミックリリーフになってた覚えがあるが、本作はひたすらオーグたちを順に駆逐していく戦闘ゲームみたいな一本道の進行だ。

テレビシリーズではなく映画だからそうならざるをえないのだろうが、庵野秀明はライダーの日常などはなからまったく描くつもりはなかったんだろう。

あと本作における持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社(!)としてのショッカー、そして最も深い絶望を抱えた人間を救済する行動こそ目指すべきとする端的に狂った AI という設定は何気にかなり今どきなのだけど、本作を観終わって、えーっと、あの AI どうなったの? とか思っちゃったよ。

なんか不満を並べてしまったが、繰り返しになるが面白かったですよ。しかしですね、これは『シン・ウルトラマン』のときも書いたが、本作を公開初週に観に行ったのは、『シン・ゴジラ』の夢もう一度、というのがどうしてもあるわけで、主人公二人が碇シンジ綾波レイな本作を観終わって AI の次に思ったのは、それなら『シン・ゴジラ』はなんであんなに面白かったんだろう? ということだった。それを現在の日本映画の貧しさとともに考えてしまった。

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