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『AMETORA』のデーヴィッド・マークスの新刊『STATUS AND CULTURE』が来月出る

yamdas.hatenablog.com

およそ2年前に『AMETORA(アメトラ) 日本がアメリカンスタイルを救った物語』で知られるデーヴィッド・マークスの新作を取り上げた。今回は舞台が日本ではないので、邦訳は難しいかと思ったが、『STATUS AND CULTURE ――文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学 感性・慣習・流行はいかに生まれるか?』の邦題で来月刊行されるのを知る。

デーヴィッド・マークスというと、少し前に GQ JAPAN「中野香織とデーヴィッド・マークスが語る、現代のジェントルマン論──「ジェントルマンよ、復活せよ!」」という記事を見かけたが、まさにこれなど STATUS AND CULTURE な話ですね。

当然、新刊に関係する話もしている。

中野 デーヴィッドさんは『Status and Culture』という本を書いていますが、ステータス(社会的な地位)の変化はジェントルマンにも影響しているのでしょうか?

デーヴィッド そうですね。例えば、昔だったら政治家や牧師はみんなから尊敬される職業でした。でも今は、お金があることが一番のステータスになってしまっている。有名で大勢から愛されているハリウッドの俳優が自分でビジネスを始めているのも、そうした背景からです。昔は資産と関係のないところにあったステータスや尊敬が、今ではお金がないと得られないものになっている。パリス・ヒルトンがいい例ですが、オールドマネーがニューマネー(的な文化)に憧れているような状況です。

中野 資本主義的な価値観が浸透しているわけですね。特にアメリカはその傾向が強い。

デーヴィッド 今ではイーロン・マスクジェフ・ベゾスが貴族と並んで、あるいはそれ以上に高い地位を持つようになりました。でも彼らがジェントルマンかと言われると違いますよね。やはりジェントルマンにはスタイルや仕草やモラルが必要です。だからこそ、かつては「あの人はお金あってもジェントルマンじゃない」という言い方でクラブへの入会が断られ、紳士のコミュニティが保たれていた。でもそうした構造が機能していたのは、オールドマネーにステータスがあったからこそ。今はそこが崩れてしまったから、成り金的な価値観が強くなってしまったのだと思います。

中野香織とデーヴィッド・マークスが語る、現代のジェントルマン論──「ジェントルマンよ、復活せよ!」 | GQ JAPAN

あと、現代的なジェントルマンというと誰を思い浮かべると聞かれて、真っ先にファレル・ウィリアムスを挙げているのが興味深い。

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