テレビのソフトウェアには広告が満載されるようになり、テレビを所有することの意味が変わってきているという記事である。
近年テレビメーカーは、視聴者に広告を表示し、その反応をデータ収集してトラッキングすることで、テレビから継続的な利益を求めるようになっているそうで、よくインターネットはテレビみたいになってしまったみたいな意見を目にするが、逆にテレビのほうが広告の面でインターネットに近づいているようだ。
つまり、スマートテレビが一般的となり、テレビは売り切り製品ではなくなっているということ。
昨年の OMDIA のレポートによると、ネット接続されたテレビプラットフォームの新規ユーザ一人の四半期あたりの広告収入は5ドルくらいとのことで、それだけ見ると大した額ではないが、こういう広告表示&データ収集&トラッキング機能がデフォルトでオンになっている場合が、Roku や Vizio といった格安テレビでは多く、しかも LG や Samsung といった世界的なテレビメーカーもこの広告事業に前のめりらしい。
記事中の「この場合、『スマート』とはインターネット接続ではなく、テレビがどれだけ視聴者の情報をつかんでいるかを意味する」という文章が象徴的よね。
確かにテレビは毎年買い替えるような製品ではなく、広告表示&データ収集&トラッキングによる販売後の継続的な利益というのは、メーカーから見てとてもオイシイ話に違いない。この記事では、テレビを使いながら買い物ができる「ショッパブル広告(shoppable ads)」が紹介されているが、そりゃそういう方向に行くでしょうな(Hulu などのストリーミングサービスでは既に実現済)。
データが収集され、トラッキングされているのを理解したうえで、広告が表示される格安のテレビを買う人はいいだろうが、広告機能のオフ設定をちゃんと用意してほしいところよね。
ネタ元は Schneier on Security。