当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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YAMDAS更新、もしくはBitTorrent作者によるプログラミング指南

Technical Knockoutメンテナンス可能なコードの書き方を追加。Bram Cohen の文章の日本語訳です。この手の文章を訳すのが久しぶりなので誤訳があるかもしれません。例によって原文をコメントで残してますので、気がついた方は当方までお知らせください。

これを P2P カテゴリに入れるのはおかしいのだが、WIRED の最新号に Bram Cohen インタビューが掲載されたのを見て、この今をときめく BitTorrnet の作者の文章を何か訳したいなと思った次第である。

書かれたのが2001年という古い文章で、文章中の URL が切れていたりするが、Wikipedia にある彼のページによると、同年には彼は BitTorrent の開発に着手しており、言語の好みも変わっていない。内容的に今でも通用する文章だと思う。

最近彼が書いたものでは、Great Programmers あたりが彼のそっち方面の考えを知るのに適切でしょうかね。

WikiばなVol.4 Wiki博覧会

Wiki ばなの運営を見ていて思うのは、shinoさんを中心としてできるだけフェアに透明性を持つよう取り組んでいることである。これはなかなかできないことで、当方は正に端から見ているだけなのを申し訳なく思うほどである。

今回は一般参加者の枠も多いので、これまで Wiki に興味はあったが敷居の高さを感じて参加しなかった方には良い機会ではないだろうか。

開発者たるものBlogを書くべし

さらりと Joel on Software の文章が紹介されているが、個人的には2000年10月に書かれた文章の中に weblog という単語が登場しているのに興味を持った。思えば Blogger が一気に広まったのは1999年だから不思議ではないのだけど。

さて、ウェブログのススメという意味では似た文章を読んだことがあります(笑)。以下、『ウェブログ・ハンドブック』の第二章より。

 真摯に取り組むなら、毎日下手に書くのは難しい、というのがおそらく最も正確なところだろう。ポテトチップスを食べたり、テレビのチャンネルを変えるようにウェブログのエントリを投稿することも可能である。そうした行き当たりばったりのちっぽけなテキストが、人の心をつかんで離さないということは決してないけれど。でも、あなたが何か語るべきことを持っているなら、自分が意図することを正確に語れるようになるまでウェブログを書くのに毎日時間を割けば、あなたはきっとより良い書き手になる。

ブログ至上主義?

以前「ブロガー部隊?」を訳した Rebecca MacKinnon が "Blog triumphalism"? というエントリを書いている。この triumphalism という単語だが、普通に辞書をひくと「勝利主義」という訳語が出てくる。しかし、これでは分かったようでよく分からない。

リーダーズには「特定宗教の教義が他のいずれのものにもまさるとする」とあるので、上のエントリの文脈にあてはめていえば「ブログ至上主義」、もしくは「ブロガーの勝ち誇り」といった感じが適切だろうか?

triumphalism という単語の意味が伝わる文章はないかとぐぐったところ、「おごる米国への国際支持は薄かった湾岸戦争のときと際立った違い」という文章がひっかかった。

週刊朝日の「船橋洋一の世界ブリーフィング」という連載の一遍らしいが、これが1998年に書かれたことを鑑み、またその後の米国、英国、フランス、ロシア、そしてイラクの展開をあてはめると内容がとても興味深かったりする。

話を元に戻すと、この "blog triumphalism" という言い回し自体結構多く使われているものみたい。ダン・ラザーを追い落としたからっていい気になるなよ、といったところだろうか(違います)。

定年制に関する覚え書き

「現在は60歳未満で定年とすることは法律で禁じられている」というのを知ったのも比較的最近のことだったりする。あと、

少し前に20代の会社員にとったアンケートで、定年まで今の会社にいると思うか、という質問にNOという回答が過半数を超えた。

というのは、質問自体もう成立していないのではないだろうか。自分自身がどうこうの前に、「定年を迎えるまで今勤務している会社が存続していると思う」と自信をもって言える20〜30代がどれだけいるのだろう。

なぜキルロイはそこにいたのか

shikencho.comKilroy Was Here - War Posters が紹介されていたが、「検索の鉄人」である関さんでも "Kilroy Was Here" をご存知なかったんですな。

もっともワタシもキルロイのことを知ったのは、青山南さんの「ロスト・オン・ザ・ネット」の「キルロイ、参上」を読んでからなのだが。ネットってありがたいよな。

『メトロセクシャル』のマイケル・フロッカーの新刊『快楽主義ハンドブック』

『メトロセクシャル』という言葉を広くアメリカに知らしめたマイケル・フロッカー(Michael Flocker)の新刊『The Hedonism Handbook: Mastering the Lost Arts of Leisure and Pleasure』が出ていた。

快楽主義のススメとは、またしても目の付け所がいいですな。邦訳は今年の夏までには出るだろうが、前回同様話題になるかな。

さて、メトロセクシャルという言葉自体はマイケル・フロッカーが考えたものではなく、1994年にイギリスの作家マーク・シンプソンが作中で使った言葉のようだが、現在使われる場合の定義は iSexyHealth.com のページを参照くだされ。まあ、ワタシは範疇外です(笑)

調べてみたらメトロセクシャル推進委員会なんてブログもあってビックリ。

チャンス

DVDジャケット

ピーター・セラーズのほぼ遺作といってよい映画であり、本作によりセラーズは『博士の異常な愛情』以来15年ぶりにアカデミー主演男優賞にノミネートされる。しかし、前回同様オスカーは獲得できなかった。

本作の主人公はやはり innocent と形容されるのだろうか。もっとも純真というよりも、テレビへの執着に見られる正に子どもっぽい一心さが勝っており、最初この映画を観たときはそれにいささか不気味さも覚えたほどである。

とにかく本作はテレビと車の映画である。この二つなしには成立しない。それはアメリカという国の暗喩であり、メディア批判も含まれ……などと賢しらに語ることもできるのだろうが、そうしたのは当方の得意とするところではない。面白いと思ったのは、主人公がご主人の家(それなりに裕福だったろう)を出るとそこは黒人が多く住むごみごみしたところだったり、ハンバーガー屋のネオンのすぐそばから大富豪の邸宅に入っていくなどアンバランスさを感じるところである。それも含めてアメリカ的なのか?

ただ極めてアメリカ的な映画なはずなのに、どこからしくない落ち着きも感じる。まあ、主演のセラーズにしてもイギリス人だし、映画の主な舞台が大富豪の邸宅内というのもあるのだろうが、ジョニー・マンデルの音楽もその印象を強めている。またその落ち着きは、ストーリーにも感じる。随所に笑いどころのあるコメディではあるが、題材的にもっとドタバタな笑いも引き出せるはずなのに、ある種の静謐さを保っている(唯一毒を感じたのは、黒人メイドがテレビに向かって「白人なら誰でもいいのさ」と毒づくところぐらいか)。そしてその静謐さが本作を他のセラーズの映画と一線を画している点だろう。

当方はこの手の映画に主人公の転落/決定的な破綻を期待してしまうというのがあり、本作にしても邸宅付きの医師が主人公の素性を突き止めるところや、主人公が男色を持ちかけられる場面などその契機はいくつもあったと思うが、ストーリーも飽くまで抑制されておりそうした破綻は訪れない。結局主人公は原題の通り「そこにいた」だけであり、周りが勝手に解釈して右往左往したり、意識を変えたりしたわけだが、決して後味は悪くない。特にシャーリー・マクレーンのコメディエンヌぶりはチャーミングである。

ラストにおいて主人公が大統領候補に祭り上げられることが暗示される一方で、主人公はそうした現実から一足飛びに遊離してしまう。こういうのをズルいとする向きもあるだろうが、上記のような破綻がないとしたら、ファンタジー以外に終わりようがないのだと思う。

ただエンディングロールでのNG集はないよな。ジャッキー・チェンの映画じゃないんだから。

ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方

さて、そのピーター・セラーズの伝記映画が日本でも公開される。以前調べたときは『ピーター・セラーズ異常な愛情』というタイトルだったはずだが、上のような邦題になっている。あとねぇ、公式サイト、作りダメすぎ。

今セラーズに対する(異常ではない)愛情が高まっている時期であり、またジェフリー・ラッシュの演技が素晴らしいようなのでこれは観に行くことになるだろう。

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