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Joe Jackson, Night and Day

Night & Day

Night & Day

Amazon で980円以下で売ってる輸入盤 CD を紹介する「Amazon980円劇場」だが、今日は多めに三枚ご紹介。

まずはジョー・ジャクソンの代表作だが、このアルバムについては昔「サーペンス・アルバム」で取り上げたことがあるのだけど、彼の奔放な冒険精神がうまく時代や場と合致してできた傑作だと思う。

つまり、このアルバムは彼が移り住んだニューヨークから受けた刺激があって成立した作品だと思うし、ギターが完全に排されているのも80年代前半らしい。

このアルバムからは "Steppin' Out" というヒット曲が出たが、テクノポップあり、ラテンあり、美しいバラードありとバラエティーに富んでいる。今でもアルバム最初の "Another World" の太鼓の音を聴くと、その力強さとかっこよさに震えがくる。

The Waterboys, Fisherman's Blues

Fisherman's Blues

Fisherman's Blues

マイク・スコット率いるウォーターボーイズが『This Is the Sea(自由への航海)』の成功後、後にワールド・パーティを結成するカール・ウォーリンガーと決別し、アイルランドに移住して本作を出したとき、ロックの現場の一線から退いたとか、マイク・スコットは世捨て人になったのではとか言われたものである。

80年代という時代の不幸というか、当時の音楽シーンの「ストライクゾーンの狭さ」を嘆きたくなる。今本作を聴くと、確かにアイルランドのトラッドの影響は強くみられるが、マイク・スコットの力強い歌に何ら変わりはなく、十分にロックである。むしろ、マイク・スコットという直情型のソングライターには、これくらいリラックスした音作りのほうが良いくらいだ。

ウォーターボーイズを初めて聴く人には、代表曲がいくつも含まれる前作をまず勧めたいけど、本作も紛れもなく傑作だと思うよ。

Boz Scaggs, Slow Dancer

Slow Dancer

Slow Dancer

ボズ・スキャッグスはキャリア初期にスティーブ・ミラー・バンドにいたりデュアン・オールマンと共演したりする元々はブルースロックな人だったのだが、モータウンでプロデューサーやってたジョニー・ブリストルを迎えた本作あたりから徐々にソウル寄りに方向転換をはかり、『Silk Degrees』(asin:B000HEZF90)で大ブレイクして AOR の代表選手になる。

普通の人ならその『Silk Degrees』を取り上げるのだろうが、ワタシはこのアルバムがあまり好きじゃなくて、彼のブルージーな持ち味とソウル志向が微妙に共存し、単にスマートでスリックな音におさまってない本作のほうがずっと好き。ジョニー・ブリストルが何曲も書いているし、アラン・トゥーサンのカバーも聴かせる。

アルバムタイトルやちょっと古めかしいジャケットもいい味出してると思う。

オープンソースハンドブックをオープンソース流に作る

The Open Source Way というオープンソースについてのガイドブックを、まさにオープンソース流に作ろうじゃないかという話で、Wiki も開設されている。

screenshot

こちらも当然ながらと書くべきか、ライセンスもクリエイティブ・コモンズライセンスの表示-継承(CC-BY-SA)になっているので、興味持った人は誰か日本語訳に挑戦してみてはどうだろう。

内容的には「オープンソースソフトウェアの育て方」と重なるところがあるね。

ネタ元は LWN.net

『The Lomborg Deception』がビョルン・ロンボルグの欺瞞を暴く?

Boing Boing で知ったのだが、『環境危機をあおってはいけない』asin:4163650806)や『地球と一緒に頭も冷やせ!』(asin:4797347236)で知られるビョルン・ロンボルグの欺瞞を暴くことを目的とした『The Lomborg Deception』という本が出るらしい。いつかはこういうアンチ本が出るだろうと思っていた。

The Lomborg Deception: Setting the Record Straight About Global Warming

The Lomborg Deception: Setting the Record Straight About Global Warming

ただねぇ、コリィ・ドクトロウがロンボルグの本を "infamous climate-change-denying book" と評している時点で何だかなと思った。ロンボルグもさ、別に気候変動を「否定」はしてないと思うのだけど。

『環境危機をあおってはいけない』の訳者あとがきにワタシの名前が載っていて、これは単に原稿チェックを勝手にやっただけなのだが、ワタシも地球温暖化の危機を煽る議論をかなり懐疑的にみている。もっとリソースを優先して割り当てるべき問題があるだろうにと思うわけだが、ただその一方で地球温暖化問題、気候変動問題への取り組み自体にも意義も認めている(おそらくロンボルグよりは)。

『The Lomborg Deception』へのもっと長い書評は Newsweek.com にある。さて、山形浩生はこの本をどう読むか。

ボイジャーがInternet Archiveと業務提携し、電子出版インフラ構想BookServerを共同推進

チバヒデトシさんの tweet で知ったのだが、ボイジャーから Internet Archive との業務提携について報道資料(リンク先 PDF ファイル)が出ている。

実は少し前に仲俣暁生さんにちらと伺っていたのだが、こんなに早く BookServer への参画と共同推進を発表するとは思わなかった。これは面白いことになった。

いずれマガジン航に萩野正昭さん(ボイジャー社長)のレポートが載るのだろうが、それまでは萩野さんによる「“BookServer”これは驚き!」「BookServer訪問記」、そして件の報道資料にもリンクされていた拙訳「インターネット・アーカイブのBookserver構想」を読まれるのがよいだろう。

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