「ミセス・ロビンソン」を聴いて思い出すのは、1999年にジョー・ディマジオの死後にニューズウィークに掲載された投稿である。大体以下のような話だ。
その投稿者があるとき空港で飛行機の出発を待っていた。空港ロビーにサイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」が流れ、懐かしさに思わず口ずさんだ。
Where have you gone, Joe DiMaggio? Our nation turns its lonely eyes to you, woo woo woo
すると前にいた老紳士がゆっくりと振り向き、微笑みながら会釈をした。ジョー・ディマジオ本人だった。
ディマジオが他人に煩わされるのを極度に嫌ったことで有名だったことを考えると本当の話か疑わしいが、こういう話は素直に信じたくなる。「果てしない夢を」を口ずさんでたら、チョーさんが振り向いて「セコムしてますか?」と言われるのとは比べ物にならない感動に違いない(←どういう喩えじゃ!)。
ディマジオの名前はこの歌詞に限らずいろいろな映画や小説の中で登場するが、最も有名なのはヘミングウェイの『老人と海』だろう。その中で彼は挑戦の継続とそれを支える意志の象徴だった。