「世界でもっともパワフルなテックイベント」を謳う CES が今年も年明けに開催されたが、そこで出展された製品を対象に、プライバシー、セキュリティ、環境面の配慮、修理しやすさといった観点から、最悪の製品を選出する企画があるのね。今年で4回目らしい。
主催者として、電子フロンティア財団や修理する権利を強力に推す iFixit が名前を連ねているのを見ると、上記の観点も分かるように思う。
さて、今年の CES で何が最低賞をとったかは、その iFixit の↑の記事か、↓の動画を見ていただきたい。
「今年の CES は、AI や(往々にして誰も頼んでいない)「スマート」な機能で溢れかえっている。本賞の受賞者は、テクノロジーを加えられるからといってそうすべきでないのを証明している」という文句が奮っている。
Least repairable 部門は、Ultrahuman の2200ドルするスマートリング Ultrahuman Rare が、バッテリーの充電が500回しかできず、デバイスを破壊しないとバッテリーの交換ができないことを理由に選ばれている(参考:プロポーズに最適?18金とプラチナの高級スマートリングが登場 - CNET Japan)。
Least private 部門は、Bosch のインテリジェントなベビーベッドの Revol で、親の不安につけこんで赤ちゃんのデータを過剰に収集しているというのがその理由(参考:BOSCHがAI搭載みまもりベビーベッドを発表。ミリ波レーダーで心拍や呼吸まで監視 | Gadget Gate)。
……と全部紹介していくとキリがないので残りは原文をあたっていただきたいが、おなじみ TP-Link のルータや、Samsung や LG といったよく知られたメーカーの展示製品が選ばれているよ。全般的に AI 搭載を謳って誰が求めてるか分からん機能を実現していたり、修理をしにくくする製品が選ばれている。
奇しくも今年の CES を取材した西田宗千佳氏もこれに通じることを書いている。
家電同士がAIでつながって新しい価値を創造する、というのは分かる。しかし、「どの商品から家庭に入っていくのか」「なぜそれを消費者が買いたいと思うようになるのか」という明確な答えが見えてこない。
展示はつまらないがテクノロジーの未来が集う「CES 2025」 変化するテックの形【西田宗千佳のイマトミライ】-Impress Watch
ネタ元は Pluralistic。