朝日新聞の記事は確か時間をおいてウェブから消えるはずなので、こちらをリンクしておく。
正直言ってかなり欲しいぞ、安吾Tシャツ。しかし、「堕落バッチ」は勘弁してくれや。
今年は坂口安吾生誕百周年にして没後半世紀経ち、著作権切れになるという記念すべき年なのだが、同時に安吾が「堕落論」と「白痴」という傑作を立て続けに発表(それぞれ『新潮』の昭和21年4月号と6月号)して60年になる。以前にも引用したことがあるが、この二作について奥野健男は、
この二作は、敗戦の混迷の中にいた日本人、特に青年たちに雷(いかずち)のごとき衝撃を与えた。ぼくたちはこの二作によって、敗戦の虚脱から目ざめ、生きる力を得たといっても過言ではない。
とものすごい勢いで書いている。個人的には「堕落論」よりも「白痴」のほうが好きだ。
その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨(あひる)が住んでいたが、まったく、住む建物も各々の食物も殆(ほとん)ど変っていやしない。物置のようなひん曲った建物があって、階下には主人夫婦、天井裏には母と娘が間借りしていて、この娘は相手の分らぬ子供を孕(はら)んでいる。
という冒頭に感じた何じゃこりゃが、気がつくとあわあわあわという読み継ぎ、終いには頭を吹っ飛ばされたような衝撃を受けていた。小説から受けた衝撃という意味では、これが最大のものだったと思う。大学時代はこれを何度も何度も読んだため、最後の「女の眠りこけているうちに女を置いて立去りたいとも思ったが」以降が暗唱できるようになっていた。まあ、バカですね。
要するに何が言いたいかというと、google:偉大なる落伍者で検索してワタシのサイトのバカ対談がトップにくるようじゃダメですよ、ということだ。