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2012年アメリカ合衆国大統領選挙の勝者は「データ」だった?

すっかり乗り遅れてしまったが、これはすごい話だと思う。2008年の大統領選挙でオバマ陣営はソーシャルメディアをうまく活用したと言われ、そのあたりについてはラハフ・ハーフーシュ『「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える』という本に詳しい。

「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える

「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える

しかし、今回オバマ陣営は前回の成功体験に安住せず、「データ」を十分に活用した。

IT業界で「ビッグデータ」という言葉がバズワード化して久しい。しかし、それを大統領選挙というビッグイベントにおいて最大限活用し、メディア選挙からデータ分析選挙へと旋回したのは見事というより他ない(今回の舞台裏についても『「オバマ」のつくり方』みたいな本を誰か関係者が書くのかな?)。

そして、今回それとは別に一気に株を上げたのが、元祖『マネーボール』というべき Nate Silver である。

ただこれで政治専門家はもはやお払い箱かというとそんなことはない。

で、Nate の方が政治評論家よりも当たる。だったら彼にテレビの選挙番組に出てもらえばよいかというとそうは問屋がおろさない。

いわく、テレビ局が政治評論家に政治番組の出てもらえれば視聴者がわかるが、Nate のことを視聴者に理解させるには数学の素養や統計の知識が必要になり、かつそんな番組は視聴者が飽きてしまうのではないかと。また、予測モデルは安定しているため、ショッキングな選挙予測で視聴率を取りにいけない。

Fumi's Travelblog: オバマ再選メモ

あとこれは日本にそのまま適用できる話でもない。公開データの量が絶対的に違うから。

しかし、ネイト・シルバーがこの秋出した『The Signal and the Noise』は、これでますます売れるだろうし、来年には出るであろう邦訳も売り甲斐があるというものだ。この本の内容については小林啓倫さんの書評をお読みくだされ。

The Signal and the Noise: Why So Many Predictions Fail-but Some Don't

The Signal and the Noise: Why So Many Predictions Fail-but Some Don't

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