モーリさんのツイートで知った記事だが、「曲に世界を変える手助けができるだろうか?」という問いに対して読者からたくさん寄せられたお便りを紹介したものである。
スペシャルズの "Free Nelson Mandela" 、ジョーン・バエズの "We Shall Overcome"、U2 の "Sunday Bloody Sunday" など政治的な曲が多く、他にも現在ではスタンダードになってる名曲が入っているが、ワシントンDCに住むジョン・テイラーさんが坂本九の「上を向いて歩こう」を挙げていて、おっとなった。
日本の「上を向いて歩こう」(1961年)という歌は――アメリカやイギリスではどういうわけか「Sukiyaki」(1963年)の名前で知られるが――かつての敵に対するアメリカ人の姿勢を、政策や演説と同じくらい、いやそれ以上の力で変えた。私はこの曲が1963年に発売になった当時を覚えている年齢ではないが、多くの自分より年上のアメリカ人は、この曲こそ日本の人たちをかつての敵、あるいはどこか得体の知れない、風変わりな人種としてではなく、自分たちと何ら変わらない感情を持ち、美しく優しい感情を表現できる人たちだと理解するようになった最初の例に挙げている。
この文章を書かれたジョン・テイラーさんは日本に約五年間住んだことがあるそうで、この曲を介して年上の日本人ととてもポジティブな感情を共有したそうだ。
この歌は、今日にいたるまでアメリカのチャートのトップにたった唯一の日本語の曲である。この曲こそ50年以上も太平洋における平和を維持してきた日本とアメリカの同盟関係を促す助けになったと私は確信する。
ここまで書かれると、坂本九の歌の偉大さに深い感謝を覚えるとともに、同じ人間同士をまともな人間と思わなくなる戦争の悲惨さというかどうしようもなさに柄にもなく想いを馳せてしまう。ちょうど8月だしね……。
- アーティスト: 坂本九
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN INC.
- 発売日: 2011/07/13
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