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デッドプール2

前作は吹き替え版を観たが、今回はレイトショーをやってたのが字幕版だったので、そちらになった。字幕担当者も大変な苦労があったようだが、本作のように台詞の情報量の多い映画は吹き替えのほうがよかったかもしれない。

いずれにしても前作以上に楽しめました。本作では、例のメタな作りがさらに冴えている。特にラストで、主人公の(というか、もはやライアン・レイノルズの)修理したアレの使い方には笑ってしまった。

本作では、ライアン・レイノルズが主演と製作に加え脚本にも参画しているが、本当に彼はすごいキャラクターをものにしたもんだと思う。デッドプールの不死身という設定は、それじゃ結局誰と戦っても勝つじゃないと観客に冷静になられると終わりなわけで、本作の展開はそのあたりもうまく考えられている。

本作では「ダブステップ」という言葉が何度か出てくるが、一方で本作の音楽は(最近の映画に多いが)80年代推しだったりする。『フラッシュダンス』のようなちょっとした笑いどころとしての意匠の利用、『SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜』でもやっていた家の外から流す曲がピーガブだったりするのをはじめ、何より「テイク・オン・ミー」の使い方は、あの曲のビデオを知る人にとっては冗談抜きで感動的ですらあった。

なお、本作にあの人とあの人がカメオ出演しているのをうっかりネットの書き込みで読んでしまっていた。あの人の出演場面については、その人について「君、もっとヘタレ役をやりなさい」と昔書いていたワタシ的には、『バーン・アフター・リーディング』以来の良さがあったぞ!

本作は冒頭で「ファミリー映画」だと宣言される。バシバシ主人公が人を殺す血まみれな映画だが、本当に「ファミリー映画」なのである。それは、とんでもなく不謹慎で下品な主人公が暴れまくるこの映画が、包摂と多様性を実現していることとつながっている。

さて、最後にこの映画自体の感想から少し離れるのだが、アメリカの映画やドラマで、車を運転していて、助手席に座る人との会話で運転者が結構な時間はっきり横を向くシーンがワタシは苦手である。危ないだろが! とイライラするのだ。実際そのせいで事故る場合もあるし、そうでない展開もあるが、前向けよ! と怒りすら覚え、その作品自体への悪印象にすらつながる。

教えてもらったところによると、『アメリ』の主人公も「嫌いなのは昔のアメリカ映画で脇見運転するところ」と言ってるらしいが、「昔の」だけではないんですね。『デッドプール2』にもそういうシーンがあって、この映画の場合、それで事故にはつながらないのだが、その場面は観ていてソワソワ、イライラし、疲れてしまった。作品の展開として必然性がなければ、こういう演出もう止めてくれないかなぁ。基本、普通に運転手が前を見て運転し、助手席の人間と話せばいいだけじゃないのか。

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